偉人『オーレ・キアク・クリスチャンセン』

LEGOを生み出したオーレ・キアク・クリスチャンは1891年4月7日デンマーク西部のユトランド半島の貧しい農家の13番目として誕生し、幼少から羊の世話などをし育ち貧しさゆえおもちゃなどを買ってもらえず自ら木製のおもちゃを製作するなどの幼少期を過ごした。その後大工の訓練を受け独立し家を建て家具を制作するなど仕事をしていたが、33歳で息子たちのマッチ遊び原因で木工所が全焼した。当時は相当落ち込んだらしいがその不幸をバネにしてより大きな木工所を再建した。1929年に世界の殆どのの国が世界恐慌の陥っていた中でどうにか持ち堪えていたものの彼の会社は1932年には大工仕事が激減し、アイロン台や梯子などの生活雑貨を製作し販売するも倒産寸前の状況であった。不幸は続きその3年後最愛の妻が病死する。

次々と不幸が連鎖する中で彼は再出発し大工としてのスキルを活かして木製の列車や自動車などのおもちゃを制作していく。1934年にデンマークの言葉で良く遊べの意味を持つ『leg  godt』というおもちゃ会社を起こしたのである。世界的おもちゃ会社LEGOの始まりである。


1949年『自動結合ブロック』を発売し、1955年遊びのシステムという名の『システム・オブ・ブレイ』子供たちが自由に好きなように組み立てることができるプラスチック製のレゴブロックを誕生させた。1961年アメリカでレゴが発売されるとその人気が広がりで世界各国で次々と発売されるようになった。レゴの遊びはシンプルなもので子供達の創造性を豊かにする。そしてオーレ・キアク・クリスチャン率いるLEGOの企業としての憎い戦略ではあるが、常に新しいものを追加してくるということで子供だけではなく大人をも魅了している。我が子供たちも夢中になり過ぎて赤バケツを何個も買い足すようになり、誕生日もクリスマスもレゴリクエストでプレゼント選びに頭を悩ますことは数年なかった。現在は当時とは比べものにならないほど色々なシリーズが展開され、子供が夢中になり熱心に取り組めるものと巡り合うことは幸せなことである。生徒さんの中にもレゴにはまり町建設に乗り出している子もおり、お母様のお話ではとうとうレゴ部屋を設けたそうである。そんな子供たちの心を掴んで離さないLEGO誕生にはオーレ・キアク・クリスチャンの英断が無ければ誕生しなかった。ではその英断とは何かを彼の幼少期から想像してみよう。

1947年木製の玩具製作から当時新素材として注目を浴びていたプラスチックに彼は着眼する。プラスチックを製造するには会社の屋台骨をもぐらつかせるほどの高額な機械購入が必要であった。失敗すればどうなるのかを想像した息子のゴッドフレッドをはじめ社員全員が猛反対をしたのである。やはり会社としてその決断を行うのには余りにもリスキーだったのであろう。事実機会を購入して何年もの間試行錯誤し商品化することはできなかったのである。しかし1台の小さなトラクターのおもちゃを作るまでにかかった開発資金は、実際の大型トラクターを購入するほどであった。試行錯誤の末自動結合式タイプのLEGOが誕生したのである。そのプラスチックのトラクターは当時生産していた200種類の木製玩具の中の一商品に過ぎなかった。プラスチックのLEGOが主力玩具になるなど機械購入に反対した社員らは想像もしなかったであろう。いやもしかするとオーレ・キアク・クリスチャンすら現代のLEGOの姿は想像できなかったかもしれない。


人は自分自身の人生を豊かにするためにはその時々で決断しなければならないタイミングがある。その決断するに当たって必要なのは情報であり情報を得た上で熟考し決断することとなる。情報の取得なし尚且つ熟考無しに最良な結果は生まれない。また反対者の意見を聞いても自分自身が正しいと思い反対者の意見に耳を貸さないということほど傲慢なことはない。否定的な意見や反対意見にこそ耳を貸してそのような意見があるのだと真摯に受け止めて自分自身との意見と擦り合わせてみることもリーダーとしては必要なことである。その上で実行する根拠を示す必要がある。つまり相手が理解し納得できるようなデーターをその根拠を説明できれば相手を説得し納得させることができるであろう。おそらくオーレ・キアク・クリスチャンはその方法を実行したのだと思う。

彼の幼少期は何もないところから自分自身が欲しいものを一から手作りするという育ち方をしている。つまりその幼い頃の物作りは必ず失敗という道を通っているであろう。そしてその失敗を成功に導く経験もしているに違いない。だからこそ新素材のプラスチックに挑戦する事を臆さなかったのではないだろうか。つまり失敗から学ぶ経験をしてきたからこそ成功する筋道が見えていたのではないだろうか。そうで無ければ何度も災難に降りかかりその都度立ち上がることはできなかったでろう。人類が失敗を通して成功を獲得している理論を実践している偉人の一人である。

オーレ・キアク・クリスチャンは将来物になるか判らない新素材のプラスチックを用いたおもちゃの製造を訝しげに思う社員や莫大な費用を投じることに反対する社員らを説き伏せることができたのは、幼い頃から経験してきた失敗や成功の経験を糧にそしてさまざまな不幸やアクシデントから立ち上がる術を身につけ、尚且つ幼い子供らへの本物を提供するという信念によってデンマークの小さな木工所を現在のLEGOという大木に育てあげたと言える。もし彼のような強く逞しい人物に子供を育てようとするのであれば、なんでも買い与える育て方ではなくて子供自身が物作りを通して失敗と成功を経験させることに尽きるのではないだろうか。それにしても写真のレゴは30年近く前のものである。経年劣化は殆ど感じることがない。これもLEGOのモノづくりの真髄である。


Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。