偉人『チャーリー・チャップリン』
幼少期、父の膝の上で見た
チャップリンの無声映画を
思い出すことがある。
トムとジェリーが好きで
無声には慣れ親しんでいたが
あの衝撃は今でも新鮮だ。
ロンドン・ヴォートヴィルの
俳優の息子として誕生
父はアルコール依存症
母は2人の息子を
十分育てる稼ぎがあり
歌手として活躍していた
しかし心身の疲労と
精神バランスを崩し
精神病院へ入院する。
兄と共に路頭に迷い
孤児院や貧民院に収容され
あまりの空腹に耐えられず
小さな小石を口に入れ
気を紛らわした。
母の庇護の元育つべき時期に
食うや食わずの生活を
強いられることは
想像しがたいものがある。
このような経験をすれば
貧すれば鈍すになるのが
一般的ではないだろうか。
ではなぜ彼が逆境にめげず
今も人々の心に残る
時代を超えた喜劇王なのか
その理由が裏打ちされた
エピソードを人生史に
見ることができる。
チャップリンが孤児院で
伝染病のタムシに感染し
隔離病棟で丸坊主にされ
全身ヨウドチンキが塗布され
汚れまみれの様な姿に
その時の話である。
母は息子の感染を知り
自らの病を押し見舞いに来た。
母は息子の姿を見て大笑いし
「どんなに汚くてもいいのよ
本当に可愛いお前だから」
そう言って感染力の強い
伝染病の息子を
躊躇することなく
強く抱きしめた。
自らも心身ともに病を抱え
どうにもならない逆境下
なんと愛情深い人であろう。
どのような息子でも受入れる
どんな人間も
人間らしく生きる権利があり
人間の尊厳を冒すことなく
希望を胸に抱き続けることを
母はあの隔離病棟で
演じて見せたのだろう。
チャーリー・チャップリンは
世界の喜劇王になるべくして
裕福な幼少期と
過酷な少年期を経験するも
母の愛が生きる源泉になり
茨の道を乗越え
平和で温かな表現と
人間の尊厳を脅かすものへの
風刺を笑いに変えて
自由のために戦った
喜劇人である。
やはり思うこと・・・
真の艱難辛苦を味う人の深さ
それは凡人には理解できない
清濁併せ呑んだ経験から
生まれる強靭さであり
義理と人情に厚い優しさを
兼ね備えている。。
人間楽な日常を送るだけでは
深みのある人にはなれない
そういうことか・・・
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