提案『書くことの敏感期』

子供の発達にはそれぞれの獲得すべきものにおいて最良のタイミングがあることをこれまで記してきました。『書くこと』もご他聞に洩れず最良の敏感期があり、個人差はあるものの3歳~4歳が書くことの敏感期といわれています。

特に女の子は幼稚園のお友達にお手紙を書きたがる5、6歳の1年半前に文字への興味が出ています。教室では自分の名前を文字認知し始めたら文字を読むための書く取組みを開始していきます。いきなりひらがなを書きを行わず運筆や数字書きなどからスタートしていきます。

敏感期を迎えると子供が文字に興味を示し始め、書きたいという気持ちが前面に出てきます。そして敏感期はものすごい習得力で発達し比較的楽しくわずかな力で書くことを獲得することができます。しかしその敏感期を逃してしまうと努力を要し習得の波に乗ることができない場合や相当苦労することもあります。

就学までに文字の読み書きや数に関することの学びはさせないという教育方針を提唱していることを耳にすることもありますが、それぞれの敏感期は子供の心身や脳の発達と大きく関係していることから就学後に苦労しないように敏感期で基礎を築くべきだと考えています。

敏感期はどの子にも少なからず訪れるチャンスがありますが、それをものにできるかどうかはその敏感期を迎えるまでの言語力や微細運動・秩序性の獲得・感覚の敏感期に深く関係しています。より効果的にこの時期を迎えるためにそれまでの経験値がものを言うのです。

文字を書くために必要なことは以下の通りです。

1、ひとつでも多くの言語を習得しておくこと。絵本を読むことで文字を視覚認知する機会を増やし、多くの言葉を覚えることも進めます。


2、手や指を使う練習を日常で多く獲得しておくこと。

親指・人差指・中指の3本で鉛筆を軽く持った状態を保ち、柔らかな手首の動きで一定方向に動かすことが必要になり、乳児の頃から手を動かし幼児期は多くの道具を扱えるようにします。大人が考えている以上に鉛筆を持つ手の柔軟性と力の加減は必要不可欠です。乳児の頃からいろいろな道具を扱えるように取組むようにします。


3、順を追って物事を理解する秩序性の獲得をすること。

生後6ヶ月から2歳半をピークに迎え3歳まで続く秩序性を獲得させ、物事を混乱せずに筋道を立てて理解することをさせた上で、その秩序性を活用し書き順を理解できるようにします。


4、形や大きさを獲得できるように感覚的取組みを多く経験させておくこと。

文字の形や大きさを視覚認知し、バランスよく書くことができるように感覚遊びをたくさん経験させておきましょう。

読むことよりも先行させる書くことの敏感期ですが、1歳のお誕生を迎える頃から極太のクレヨンを手にさせて描く取組みを行います。開始したばかりの頃はたまたま手を動かして紙に線らしきものがつく程度ですが、取組むことで弱々しい線が現われ、力強い点々描き、ぐるぐる、丸、その他の図形や人間らしきもの、そして塗りつぶしへと変化し表現することの喜びと夢中になることをさせていきます。文字を書くまでにはこれ以外にも様々な道具を使い、おもちゃで遊び、身体を動かしてはじめて成立する書くことの敏感期なのです。

また力を入れたり抜いたりする動きを生活の中で繰り返すことで、力の加減を学び手や指、手首が鍛えられていきます。書くことはこの筆圧の微妙な調整が求められるため手や指に力を入れたり、抜いたりする経験値が無ければ苦しいものになってしまいます。

文字を書く敏感期をタイミングよく迎え上手に獲得させるためには、乳幼児期からの積み重ねがとても重要なのです。クレヨンや極太の鉛筆や色鉛筆を手にして描くことを行うことも必要ですが、手や指に力が入っていないお子さんにはジョウロを活用した植物への水遣りをお勧めしています。少し重いと感じる程度に水を入れて手首を使い水遣りをし、だんだん軽くなることで力を徐々に抜く感覚を味わえるようにしましょう。

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