偉人『トーマス・エジソン』

白熱電球・蓄音機・映写機と世の中に便利さを届けた世界の発明王トーマス・エジソン。彼が小学校入学後3ヶ月で退学し、母ナンシーの家庭教育を受けていた話は誰もが知る事実である。昨今の彼に関連する記事は彼から学ぶ失敗学に焦点が当っているが、彼がどのような生い立ちで失敗を克服したのかを知ってもらい、その上で乳幼児期のプロとしては失敗から学ぶ以前の成功へ辿り着く反復練習の重要性とその先の幼児期の鍛錬過程及び失敗と思わせない試行錯誤についてを論じることにする。

先ずはエジソンの小学校時代にスポットを当てよう。

エジソン6歳「なぜ空は青いのか」「なぜ風は吹いているのか」「なぜ魚は溺れないのか」などの質問を繰り返し授業を止めてしまった。さらに紙粘土で1+1=2を教えている教師に対し「紙粘土なのだから足すと2ではなく1つになるのだから答えは1である」と言い問題視されてしまったのである。紙粘土なのだからという発想には思わず『なるほど!!』と言いたくなるが、当時は発想の転換を重要視される教育ではないのだから学校に居辛くなるのも仕方のないことである。

小学校の教諭であった母ナンシーは世間から知恵遅れといわれた息子に合う教育を実践していたが、父サミュエルは息子の探究心が理解できずにいた。そして父は息子のある行動を境に見放したのである。その行動とは・・・『なぜ物は燃えるのか』であった。彼はその疑問を解決するため実験し納屋を延焼させたのである。一方母は息子の質問にとことん付き合い回答に困れば図書館で共に調べ、地下の野菜保管室を息子の実験室にあてがい薬品を買い与え実験ができるようサポートし見守り続けた。

しかし常に息子の行動に理解を示していただけではなく息子の危うさも見通していたのである。ある日息子が注意欠如で麦を貯めておく塔に落ちかけたり、川で溺れたりと命の危険が迫る行動をすれば樫の板で叩いて厳しく叱ったそうである。母ナンシーは息子の弱点をカバーしながら共に歩んでいたのである。

母ナンシーの最良の教育法は失敗を許容することであった。失敗を通して学べばよいという彼女のスタンスは息子エジソンの中に深く刻み込まれていく。エジソンは後にこう語った。「人間の最大の欠陥は直ぐに諦める事だ。成功するための最善の方法はもう一度やってみることだ」そして彼は母の教えと学びで自らが抱いていた疑問や探究心、そして好奇心が科学に向いていること、また自らの欠けた知識や経験はその道に通ずる専門家や技術者の力を借りることであると悟ったのである。そうして彼は現代に通ずる幾つもの発明を世に送り出したのである。

世の中が著しく変化しそのスピードが加速するコロナ禍にあって、私達の常識が当てはまらない時代の到来によりどう生き、身を守るかが身につまされる。予測か付かない時代を子供が生き抜くためには、自らの力で対応し考え行動できる力をつけさせなければならない。何となく生きていてその力を付けるのは奇跡に近い。この厳しい時代を迎えたからこそ確りと考え子供を育てるべきではなかろうか。

若年層が自粛期間を我慢できずに感染拡大を広げている現状を目の当たりにすると、その世代がどのような我慢や忍耐を学んできたのかが容易に想像がつく。そのような子供を育ててしまった親の世代にも大きく反省を促したい。自分自身の中に存在する我慢という最良の武器にさえ気付かず、ウィルスという危険なものに何のガードもせず突き進んでいくのではなく、自分自身の身を守る権利の行使が周りの家族友人知人を守ることに繋がり、不自由さの中の自由を味わうことができたのではないだろうか。レインコートを脇に抱えて濡れて歩く愚かさよりも、臨機応変にそのレインコートを着脱できる賢さを子供が選択できる知恵を与えるのも親の役目ではなかろうか。

昨日の732名の過去最高の感染者数を踏まえて脱線してしまったが本題に戻し、乳幼児期を3段階に分けて子供を導く時期とその働きかけをアナウンスしていく。


まず1段階めの乳児期について

赤ちゃんは天才というように乳児は身体発達を中心に基運動をものすごい能力で獲得していく。本来は乳児自らの力だけで環境さえ整えば順当に発達を遂げていくが、周りの大人が加勢し過ぎると助けを待つようになる。できるだけ基本動作や運動の獲得に向けて繰り返し挑戦させ忍耐を付けさせる必要がある。この時期に出現する忍耐力の芽こそが1歳以降の取組むべき事に対する姿勢になるのである。失敗に打たれ強い子供に育てるためには、この乳児期の反復練習で培われる忍耐力の芽がかなり重要になることは言うまでもない。


2段階めは幼児期の鍛錬過程

乳児期の忍耐力の芽を持って少し難しいことへの挑戦が始まり我慢を覚える。1歳以降は小さな挑戦の繰り返しが多く生じ、乳児の頃の挑戦よりも難しさを感じやすくなる。乳児期の忍耐で乗り切り、放り投げることを身に付けず我慢を以って取組みそれと同時に達成感を味わう機会が必要になる。達成感を味わうためにさらに挑戦を自ら率先し行うように導く必要がある。


3段階めは失敗と思わせない試行錯誤

3歳以降はやり遂げようとする忍耐力と我慢力、達成感で味わう喜びを予測しながら何度も挑戦する意欲を育てることになる。比較的正解か不正解かで判断できるような取組みばかりをしていると結論ばかりを求めすぎたり、事を成す時のプロセスの重要性を理解できず失敗を恐れるようになったり、忍耐力を以って事に当れなくなってしまう。よって直ぐに結論が出ず試行錯誤をするような経験をさせることが何より重要である。その経験を増やすように導き4歳以降はやってみないと結果が分からないことや気になることをとことん探究し掘り下げるような挑戦をさせるべきである。


乳児期から幼児期にかけてこれらの段階を踏んで初めて失敗を失敗と受取らず、成功するための過程であるということを理解できるのである。


この人類を揺るがす禍の失敗から今何を見出すべきか・・・今日も一人考え、憂いと前向きな心の動きの間にいる。

Baby教室シオ

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