絵本『きょうはハロウィン』
今日はハロウィン、絵本もハロウィンにちなんだものを取上げました。
外国に越してきたばかりの主人公ケンちゃんが、異文化に触れ成長する一晩の出来事を描いています。隣家の男の子にカボチャのちょうちんを用意し、ロウソクの灯りを燈しておかなければお化けがやって来ると言われてしまい慌ててちょうちんを準備します。
日が暮れた夜の闇から「トリック・オア・トリート」と聞こえて来る声に怯えながら母の後ろに隠れていると、仮装した子供達が「お菓子をくれなきゃ いたずらするぞ」と声を合わせます。その子供達の中に昼間出会った隣家のピートを見つけたケンちゃん。ピートに誘われてその仲間に加わることになりました。フレンドリーな国民性と日本人の引っ込み思案の対比が面白いと感じます。
初めての経験にどう対応していいのか分からない小さな声のケンちゃんが、家々を回る間にこれではいけないというような思いで勇気を出し、列の先頭を歩き出します。どのような心情の変化があったのかは実際に読んで理解してください。
お話の展開はごくありふれた内容ですが、異文化の受け入れができる子供の順応性や引っ越してきたばかりの同年齢をすんなりと受け入れる心の柔軟性を私達大人も学ばなければならないように感じます。
一晩で子供同士が打ち解け、明日からはもう友達さというような最後のページがとても素敵です。その場面も絵本で味わってみましょう。
巻末にハロウィンのことについて記載されている内容を読むことで驚かされる事実もあります。本当のハロウィンは日中の行列行進ではなく、日が暮れた夜に行うことで本来の10月31日を楽しむことになるのではないでしょうか。
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