提案『ピクニックの薦め』

春を迎え温かくお天気の良い日は自然溢れる場所へ足を運んでピクニックをしたいものです。手作りのお弁当に水筒を持ち、芝の上にふわっと広げた厚手の綿布にごろっと横になる。それだけでも日常と違う開放感がありますが、視線を上に向けると青空に浮かぶ白い雲、陽の光が注ぐ心地良さに全てを忘れて心を無にする。そんなゆったりとした時間を過ごしたり、爽やかな風に吹かれてお弁当を食べたり、本を読んだりお昼寝したり、ボール遊びや虫取りに興じたりと思い思いの時間の過ごし方があります。

思い思いの過ごし方がありますが是非小さなお子さんをお持ちのご両親には戸外に出てのんびりする時間の使い方をしていただきたいと思います。子供が親と行動する時間はそう長くありません。中学生になると子供それぞれに親から離れ自立の発達が到来します。週末ごとに子供と密着し愛情を注ぐ時間にどう向き合うのかを考えるご家庭とそうでないご家庭とではやはり子供の可能性を伸ばすことにも差が出てきます。

また中学受験をする子供達にとって週末も自由に謳歌できるのは小学校3年生までと考えると、多くの経験をさせる機会は更に短くなります。そのような逆算から出た時間をだらだらと過ごすよりも活発に限られた時間を豊かに過ごすことは、親御さんの意識から生まれるものだと強く思います。

これまで多くのご家庭を見てきたわけですが、少なからず週末を休みたいお父さんと、週末ぐらい家族サービスをして欲しいお母さん、週末ぐらいお勉強から離れて思いっきり遊びたい子供達と家庭内で意見が分かれます。三者三様の意見をみんなが満足する形で実行することは難しいと考えますが、子育ての先輩方が実践していいなと思ったのがこのピクニックです。

ではなぜピクニックがいいのかを記します。

ピクニックに行く場所は公園や野山に限らず、ここ沖縄では海でもいいのではないかと思います。ある方はコテージやキャンプ場、ホテルを活用した方もおられます。この点を見ると日常の閉鎖的場所から開放的な空間へ身を置くことや日常にはない少し豪華で贅沢な場所での一画を利用しピクニックで過ごすこともありかなと思います。それぞれのご家庭にあわせた方法でピクニックを味わってもらいたいと思います。

子供の成長にとってピクニックのメリットは以下の項目です。

1、心身のリフレッシュ

2、四季ごとの風景や自然に触れることができる

3、生き物に触れ愛でたり、優しい気持ちになる

4、工夫して遊ぶことができる

5、全身を使って遊ぶことができる

6、工夫次第でいろいろな経験をチョイスし加え遊ぶことができる

では子供に及ぼす効果を視点にピクニックを考えていきましょう。

子供が自然の中に身を置くこと自体が既にギフトです。これまでの私の経験や名だたる人々の多くは自然事象や自然に近い環境から刺激を受け豊かさを感じて成長しています。また机発進の学習では息詰まりや伸び悩みを克服することは難しいと感じています。その一方外遊びをしてきた子の壁を克服する力は私が考えている以上にクリアーする力が高いものです。


1、自然観察をしましょう。

野山や公園の植物の茂みや木々、海に行けば浜辺や岩の下、浅瀬の海の中を覗いて生き物を探すことをおこなってみましょう。子供は生き物だけではなく、自ら興味を持ったものに目をとめます。昆虫や水辺の小さな生き物から形の異なる葉や木の実に小枝、石や貝殻、シーグラスなど初めて目に写るものを何でもいいのです。このような探索行動をしていると好奇心が育ちます。この探索行動をゲームにして誰が多く物を発見できるか競わせてもいいでしょう。


2、工夫して遊ぶ

見つけたもので遊びに繋げるようにすることは、何もない状態から何かを創り上げる創作や生きる力に繋がります。昔から女の子が行ったのが花冠りや木の実や葉でおままごと、花びらを使用しての色水遊び、枝や蔦で刀に弓矢や槍を作ったり、虫を掴んだ後の籠作りなど子供の発想の分だけ遊びがあります。この工夫は直ぐに溢れ出て来るものではないのでその場にあるものを集めることから行いましょう。


3、いつもと違う経験

これは私が友人から教わった方法です。イタリアンの教室を主宰していた友人とピクニックに行った際、ランチバスケットに入っていたのはチーズ・ハム・レタス・胡瓜・バター・マヨネーズなどの食材と調味料、そして長いバケットに小さめのナイフとブレッドボード。彼女がピクニックに求めていたのは子供と共に簡単に作ることを楽しむこと。いつもはできたものを食べる子供達の表情がイキイキとしてたことを今でも思い出します。このピクニックは大人も楽しくて月1回パンやチーズ、ハムのどの種類を変え、ママ達は専門化の知識を教えてもらいながら子供もその知識を共有しながら楽しみました。後日幼稚園でピクニックごっこを砂場でしていたようで「僕はバケットはいやだ、カンパーニュにブッラータとオリーブを掛けただけでいいよ」「じゃ私はクラッカーにマスカルポーネにはちみつかけよ。」と言い幼稚園の先生が「ここはイタリアかしら」と驚いていました。その効果はままごとだけではなく、野菜嫌いが少し食べられるようになった子や料理に関心を示し手伝いをするようになったり、親子でカルディでの買い物を楽しんだり、イタリアやフランスに関心を持ち出したりと1つの刺激が多くの枝葉に分かれていきました。今思えば職業や趣味を多く持つママ友に恵まれ多くを与えられ与えをする環境に恵まれ、ダイレクトに子供に作用することを体験することができたのは幸せでした。

そのご家庭に合わせいろいろな経験ができるような設定をすることで子供の可能性は大きく開かれるように感じますが、その刺激はお友達関係からも得ることができます。

私が今ピクニックを楽しめるのであればクロード・モネやエドゥアール・マネの『草上の昼食』やジョン・エヴァレット・ミレイの『春』を思い浮かべながら風景や自然を楽しみ、爽やかな風が吹き渡る木陰で読み進めたい本を日がな一日読んでいたいものです。

昨日愛犬の毛布を洗いベランダに干しに行くと、お向かいさんが手作りされた物見やぐらにお孫さんがテントを張りお天気の良い一日を楽しんでおられました。どんな会話を親子で楽しんでいるんだろう?陽の光りや風を感じ良い経験をしているな・・・遠出せずとも身近な場所でできることを生み出す豊かさは素敵なものだと微笑ましく見ていました。

皆さんにも思い思いのピクニックを楽しむ時間が訪れますように。

Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。