提案『お正月遊びのメリット』

日本の伝統的なお正月遊びといえば、かるたや百人一首、福笑い、双六、独楽回し、羽子板、凧揚げなどがあります。しかし現代の子供達がお正月に行っているかと言えばゲーム系のようで、お正月遊びをしている子供は少ないのではないでしょうか。

今回は私達の生活からやや遠くなりつつあるお正月遊びが、子供にもたらす効果をアナウンスしていきます。風情ある遊びのためお正月を終えたら忘れてしまいがちですが、子供の能力を開花させるためには効果のある遊びばかりです。できれば定期的に取組んで遊ぶことを薦めします。

l先ず取り上げるのは『福笑い』です。

この遊びは目を瞑り顔のパーツを置くことができる3歳以降に取組むことができます。目を閉じた状態で顔のパーツを置く事は、指先の感覚を研ぎ澄ましながら空間認知の把握と記憶を頼りに遊ぶことになります。2歳以下は目を閉じることが難しいものですが、顔のパーツを見ながら置く場合でも楽しめます。

空間認知や指先の感覚認知や記憶の力を鍛えることに繋がります。何より目隠しを外したときの予想外の仕上がりを心から楽しみ、笑い効果で脳をリラックスさせることができます。


かるたや百人一首は元々宮中での貝合わせが起源で、江戸時代に普及していった伝統遊びです。読み手と取り手に分かれて行い、素早く札を取り自分の手札を増やしていく勝負遊び。読み手の声に耳を傾け瞬時に動く対応能力を、取り札がどこに配置されているのかを視覚認知と記憶する力、早く身体を動かし札を取る空間認知把握能力を鍛えることに繋げられます。また文字を有する札を使用することで文字の認知も進められます。


独楽回しはある程度の手首の柔らかさと指先の器用さが発達しなければ難しい遊びです。年齢でいうと5,6歳から可能なお正月遊びです。独楽本体に縄ひもを巻きつけるには、適度な力と手全体を器用に動かさなければならず、独楽を放つタイミングと独楽を扱うコントロール能力が必要となり鍛えることができます。


羽子板と羽で遊ぶ羽根つきは、室町時代以降の親が子供の無事を祈り邪気を払う遊びとして定着していきました。当時蚊を媒介とする熱病で子供達が命を落とすことが多く、蚊を食すトンボに見立てて始まったのが羽根つきの起源です。

羽と自分自身が持つ羽子板との距離を認知し動きを調整する定位能力を鍛えることができます。


凧揚げは揚げたことのある人ならお分かりでしょうが非常に体力を必要とします。そして何より風をよんでどうあげるかをイメージしながら実行し調整能力を身につけていきます。


お正月遊びには子供達の能力を高めてくれる多くの仕掛けが存在しています。薄れ行くお正月遊びをもう一度見直してみることも行事育の魅力だと感じています。私の経験では一番楽しかったのはかるたや百人一首でした。北海道在住の時には北海道ご出身のお母様方が百人一首の読み札を全て暗記しておられ、ママ友同士の百人一首とりに華を咲かせたものです。北海道では小学校の頃に学校を挙げて行っていたようで、親子さんで楽しんでいたことから教育の中に存在する伝統遊びが継承されてゆく豊かさを感じました。沖縄の教育界にも存在させて欲しい遊びです。

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