スナップ『手動作の発達と一人遊び』
子供が一人遊びをしている頃に家事を片付けたいと思うお母様もおられることと思います。時折その家事を後回しにしてお子さんを観察してみませんか?そうすることでお子さんの成長が見て取ることができます。今回は乳児の一人遊びを一つの容器でどう広げているのかをご覧いただきます。
ここから5パターンの遊びを繰り広げます。遊び一つとっても乳児でありながら集中力や記憶の育ち、保育者の働きかけの成果や発達の度合いなどが見て取れます。安易に関わることをせず一人遊びの時間を設けつつ少し遠巻きに見守りましょう。
容器を指で引っ掻く様子はいろいろな場面で見えているはずです。指先の触覚をフル活用しそこから伝わる感覚を刺激として受取り脳処理を行っています。
そして指先から口探索へ移行しています。人間の口内は髪の毛一本入っても違和感があると感じるのは、この乳児の口探索が行われているからです。多くの味覚を獲得するにあたっても、脳を活発に動かすためにもたくさん行って欲しいと思いますが、乳児が自分自身の指を口の中へ入れることだけは回避して欲しいと考えます。コロナ禍だからということもありますが、当教室ではコロナ禍以前から感染症の対策として、また歯への影響を考慮してこのことを強くお願いしています。
容器を叩く仕草は自分自身の手を叩く『お手手パチパチ』の土台の上に成り立っている遊びです。日本では特にこの遊びを伝承遊びのように受継がれていますが、自分自身が出す音としての聴覚の学びが存在しています。大きな音や小さな音に耳を傾けられるように、そして生後9ヶ月以降の生涯に一度の選択的聞く力に向けて誰に教わるでもない発達が芽生えています。
以下の2枚は連動して見てください。
この動作は写真を見ればどのような遊びになっているのかが一目瞭然です。『いないいないばぁ』遊びにほかなりません。この遊びは全世界に共通する遊びです。手に変わり道具で顔を隠すという手動作によるものの扱いも巧になっていることが分かります。
また同時に手で隠された次の瞬間に見慣れた顔が出てくることの予測脳も育っていることが分かります。子供がこのように一人遊びで『いないいないばぁ』が出てくるということは、親御さんや周りの人々が数多く働きかけを行っているということなのです。『いないいないばぁ』遊びは行えば行う程良い効果が生まれます。家事の手を止めて実践してみましょう。
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