提案『乳児の口探索はおおいにさせよ』

乳児にとって聴覚はほぼ完成した状態であり、その他の感覚は成長段階で獲得していくものです。今回は乳児を持つお母様なら気付いておられる口探索について取上げます。

乳児が何でも口に入れてしまう行動に困っているお母様は多く、辞めさせたいと考えて行動を起こすお母様もおられます。乳児が口に入れるものは大きく2つあり1つめは自らの手や指、2つめはそれ以外のものです。

先ず1つ目の手や指について話を進めます。

生後5ヶ月までに行われるハンドリガードを終えるまでは乳児自らの手と目を共に動かして固視を促し、距離認知を感覚的に捉える一人遊びを行い脳発達を遂げていきます。この時の手や指を口元に持っていく動きは乳児発達期には必要不可欠なものです。顔の引っ掻き傷を気にするあまりミトンをはめさせてしまう方がおられますが、爪の手入れをきちんとして多少お顔を引っ掻いてもその傷は治りますから脳や視覚の発達を促すことを優先させましょう。

また離乳食時は手で食べることを存分にさせるべきですが、食事以外で口に手や指を入れる行動は感染症の防止のためにもさせるべきではないと考えています。

2つ目は生後6ヶ月以降に物を口で確認する探索です。

何でも口で確かめる行動はハンドリガードの消失と同時に口探索も消失していいはずなのですが、口元の筋肉や感覚が急激に発達してきたため舐める、噛む、吸うなどの口探索行動が止められず物を確認し続けるのです。よって手にしたものを何でも口に入れ物の大きさや固さ温度を確認するようになりますが、離乳食が進んで来るとこの口探索は無くなりはじめます。

また同時に視覚、触覚、聴覚などの他の感覚が発達し、物を視覚で認知し物の大きさや形色などの情報を獲得すれば口探索もぐんと減ります。1歳半前後でも口探索を行う場合には五感への刺激が不足していると考えられます。五感への働きかけは口探索を止めさせること以上に脳発達を促すことになるためバランス良く働きかけることが重要と言えます。


1歳までは物を口に入れる口探索をさせると同時に五感を鍛え、1歳過ぎから徐々にその口探索を減らす方向でその他の感覚を刺激していくことに努めましょう。また離乳食を食べ始めた頃から食事以外に手や指を口に入れることは止めさせましょう。

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