絵本『ひみつ』

今回は数多くある七夕絵本の中から5、6歳児向けの読み応えのある童心社の『ひみつ』を選んでみました。

孫と七夕の日に80歳の誕生日を迎える祖母のほのぼのとした手紙の交流から物語が始ります。現代は孫と祖父母は携帯を用いてのやりとりが多いようですが、手紙という懐かしい手段も粋に感じる時代になって来ました。

祖母の誕生日にほしいものはあるかと記した孫の手紙の返信に、ほしいものは無いと祖母は返事をしますが、その代わり心に秘めていた思いや願いを打ち明けます。それがこのタイトルの『ひ・み・つ』ということです。

どのようなひみつが隠されているのかは読んでのお楽しみとしておきましょう。

孫と祖母のほのぼのとした手紙と心の交流、祖母のために何をすべきかを考え行動する孫の逞しさとその成長、絵本の世界ならではの非現実的で摩訶不思議な出来事の面白さと冒険のような連続、物語に織り込まれた七夕行事、色鮮やかさと線描画のコントラストの美しさを是非堪能してもらいたいものです。

2004年初版時に子供と夢中になり読んだこの作品は、20年近くなっても色褪せず何度読み返しても胸が熱くなります。私も年を重ねシンプルに夫への思いを口に出せる人間らしさを持つしんばあちゃんのようになりたいものだと絵本を閉じる度に思うのですが・・・いつのなるのやらという感じです。


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