提案『料理で問題解決能力を高めよ』

子供を対象とした料理教室が大変増えてきました。それは食育の浸透や男女問わずに料理ができる知識や技術を身に付けさせること、そしてイベント時に親子で楽しむことなどの目的でいろいろ開催されています。そのことについては否定するつもりはありませんが、もっと手短に日常にそのような時間を設けることでが頻繁であれば一時的なものではなく、安定した子供の能力への働き掛けと多くの刺激を与えることが可能だと考え、家庭内での量時間を増やすべきだと考えています。

私の経験を話すと子供が小さい頃は頻繁に日常の中で料理をさせてきました。単に主人が食べることが大好きな人であったことが大きく影響していますが、今振り返れば多くのメリットがあったと確信しています。

とりわけ問題解決能力に秀でた力をつけることができたと感じており、また物事の段取りをし実行できる力は成人してからも周りの人々に評価されており、小さな頃の経験が今大きく花咲いていることに日頃から料理を作らせていて良かったと感じています。

今回はその問題解決能力をどのように料理で身に付けさせるのかを記します。

子供と接しているとただただ解決策を提示されるのを待つ受け身のお子さんと、自分自身の考えで思考したり行動できる子に分かれる傾向があります。この差は親御さんの子供に関わる姿が反映れていることに間違いはありませんが、その差はある課題や問題に直面した時にその課題や問題の本質を見極めて、解決するまでの工程を子供自身が考え実行する機会を親御さんが子供に与えたかどうかということになります。

簡単に問題解決能力という言葉を使いますが、親にとっては子供が失敗したり、できないと愚図ったりすると待てずについつい手や口を出して助けてしまいます。しかしその行動は成功に到達する近道のように感じますが、実は大きな成長のチャンスをみすみす逃してしまう遠回りでもなく落とし穴に近ようなものだと感じています。ですから子育ての経験者であり専門家として言えることは、子供が失敗したりできないと愚図ったり、段取りが悪い時にこそ成長のチャンスが到来したのだと手ぐすねを引いて、子供の問題解決能力を育む関わり方をすればいいのです。

私が最初に子供にさせたのは料理と言えるものではありません。上記の写真をご覧下さい。

パン屋で数種類買ったパンを細長いお皿にどのように全て載せるのかということに始まり、以下の写真のように単なるスイカや果物を可愛く飾るためにどうするかなど材料の果物を目の前にして考えさせデザイン画を描かせ実行しました。しかし実際に行動を起こすと思うようにいかないことが必ず起こりますからどうするかをじっくりと考えさせましいた。では具体的にどのように進めるのかを記します。

1、先ず見える取り組みを行う

問題解決力とはある事柄を通して目に見えない問題や課題に挑む力です。しかし子供は視覚重視のため、目の前にあるものをいかに形にすることができるかというトレーニングを先に積ませなくてはなりません。上記の写真の取り組みではものの断面を思考する取り組みやそれらを立体的に積む図形力、色鮮やかに美しく盛り付ける美的感覚など副産物的取り組みの促しがたくさん存在します。一歩踏み込むとすればそれぞれの原材料の生産地や季節的観念も盛り込もうとすればどこまでも続く枝葉的教養を広げることができます。



2、見えない取り組み(味付け)を取り入れる

見える取り組みを行った後に次にすべきことは、目に見えないけれど口で味わうことを取り入れ子供が主導して行えるようにすることです。しかし料理を始めたばかりの子供は道具を扱うこともさながら刃物や火加減などの扱いにも不慣れです。よって私が子供にさせていたのは前菜やサラダ作りを任せることでした。そして手作りドレッシングを作らせ味見をしながら味の完成を目指します。

目に見える野菜や他の材料を好きなように千切りながら、ドレッシングなどの味を想像しながら作り、想像した通りの味に仕上がっているかを確認させ足りない味を加えつつ、総合的に味を整えていくようにさせました。

子供の大好きな帆立の貝柱を子供は、主人の大好きなアンチョビをマヨネーズに投入しオリーブとイタリアンパセリを載せていました。実際に食べることで味の加減が理解でき、過不足をどうするか子供自身が判断し決定してもらいます。これがいわゆる問題解決能力となります。この時はオリーブオイルを別皿に用意しトリュフ塩を少しかけて食べていたような記憶があります。


3、本格的に料理を組み立てる

料理を最初から子供だけに任せて行うにはハードルが高いので日頃から分担作業的内容をお手伝いとして取り入れましょう。お手伝いを通して道具の扱いに慣れてきたら子供一人で作れる料理を選んで実践させてみましょう。

必要な材料や道具を揃え、どのような段取りで作り上げていくのかを考えさせます。その指南役として子供向け料理本や絵本を活用すると子供も理解しながら進めることができ楽しそうでした。段取りを考えて料理をすることを最初で覚えてしまうと、料理をする度に段取りを考えて行動を起こすことができるため無駄な行動や失敗が少なくなります。効率よく行動をとることが生活の中でも活かされるようになります。


4、代用やアレンジを加えるとき

我が家は主人も料理をするのですが彼が何かを作ると買い物に出かける時には、調味料が増える覚悟をしなければなりません。そしてその調味料をいかに使い切るかの課題が生まれ私にその役が課せられます。主婦は材料や調味料が切れたときやふんだんにあるときにどのような対応をとるかを考え日々の献立を立てておられると思いますが、子供と料理をするときにこそその課題や問題を解決できる取り組みをするべきだと考えます。例えばラザニアのホワイトクリームをお豆腐で、福岡のがめ煮を食べたいときに鶏肉がない場合に竹輪や油揚げを、ピーマンの代わりにゴウヤーの肉詰め、ティラミスのスポンジの代わりにビスケットなどを代用するアレンジ的ことを考え行動してみることをお勧めします。


料理は容易に成功体験を積み上げることができ、色々な工夫をすることが楽しくなるだけでなく、失敗をしたときにはその課題や問題点の本質を見抜いて、気付いたことを元に改善し思考を巡らしながらまた再度料理を作ることができます。その繰り返しによって問題解決能力に磨きをかけることができます。是非とも料理を通して問題解決能力を育ててほしいと思います。

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