絵本『おやこでぎゅっ!』

今週は乳児向けの記事が中心となるため絵本は親子の愛着形成の作品を取り上げます。

2014年出版のこの作品は動物の親子が絆を確かめ合うように身を寄せ合う様子が描かれています。絵本の中にはありとあらゆる情報が事細かに描き込まれている絵本が溢れる中、乳児にはシンプルで主軸となる情報のみが描かれている作品を与えたいものです。そのような絵本の一冊がこの作品。リアリティある動物の姿は観察しているからこその味のあるタッチの描写で余分なものが何一つ描かれていません。


また反復される文章も簡潔で「おかあさんおかあさん ねえ ぎゅってして」「はあーい おいで」が全てのページで繰り返されます。乳児が好むこの繰り返しは擬態語でより強調され、実際に親子で抱き合う行動に移行しやすい構成となっています。

母コアラは子コアラをおぶった姿から前抱きでぎゅーっと子を抱きしめ、次のページの見開きで余白を活用し動物に目を向ける効率的な構成で展開されています。


うさぎは鼻と鼻をくっ付けて、リスは母親の尻尾のくるりと巻かれて、カンガルーは袋の中にすっぽりと、パンダは母の腕に、ネコの兄弟はそれぞれ母に寄り添ってと絵本を読んだ後はなぜか親子で抱き合いたくなります。毎回読んだ後に抱きしめられる経験を実体験として楽しむと親子の絆を深めることができるでしょう。このような親子のふれあい絵本をたくさん読んでください。

Baby教室シオ

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