提案『春を手繰り寄せる』

行事を生活に取り入れることは比較的容易に行えますが、季節を生活の中に取り入れるとなると何をどうしたら良いのか難しいということを耳にしました。というわけで今回は春を手繰り寄せるいくつかの提案をして参ります。



1、春を探しに出かける

この季節にはすでに沖縄の桜は新緑の葉に覆われていますが、生涯に一度は本土の春を探しにご旅行に行かれてはいかがでしょうか。桜前線を追う様にお花見をしにお出かけになったご家族がおられましたが、今年もまたご旅行を予定していると先日ご連絡いただきました。沖縄の非寒桜は花ごと落ちてしまいますが、本土の桜は花びらが舞う美しい光景が見受けられます。その様子を古の時代から短歌や俳句に読まれてえいることから情景を思い出せるよう種まきをしておくことと感性が磨かれると思います。残念ながら今年はどこも開花が遅れている様です。今週金曜日の偉人は桜を日米友好の証にした人物高峰譲吉氏を取り上げます。そちらもお楽しみください。また先日は南部の海岸線を犬と共に散歩しているとシロツメグサが所狭しと咲き乱れる美くしい光景を見つけました。そんな身近なところから春を探してもいいかもしれません。



2、出産ラッシュの動物との関わり

春から夏にかけて自然界では動物たちの出産が相次ぎますが、我が家ではマザー牧場や小動物との触れ合いができる場所に行って新しい命の誕生を見せる様にしていました。北海道に住んでいた頃には春に生まれた子牛に哺乳瓶でミルクをあげる体験や子馬を撫でる経験、冬に生まれた子グマを春頃になどの経験も今では良い思い出です。実際に哺乳瓶を使い子牛に授乳させる体験は子牛のミルクを吸う力強さに驚く経験や母馬の視線を気にしながら子馬に触れる緊張感、子グマの爪の鋭さや毛の硬さなど新しい発見や五感への働きかけによる刺激はさせてみなければわからない経験です。動物が生み出す力強さや命の尊さをことあるごとに思い出すきっかけにもなりました。沖縄でできるところがあるかわかりませんが動物との触れ合いは是非させて欲しいと思います。かりゆし水族館では動物のベビーラッシュとは関係なく餌やり体験もできるので美ら海水族館よりはお高い入園料ですが、ナマケモノ、カワウソなど間近に見ることや餌やり体験もできますので一度足を運んでも良いでしょう。



3、季節の花を取り入れる

春に咲く花を生活の中に取り入れてみましょう。それは一輪の花を生けるも良し、各流派の生花やフラワーアレンジメントを行っても良いでしょう。どのような形であれ季節の花を取り入れることが植物に触れる機会を与えることになります。残念ながら年々子供達の植物に対する興味や関心の希薄さや知識の低下を感じてなりません。植物が一年を通して姿を変え子孫を残すためにどのような働きをしているのかを知ることは、私たちの周りの環境やひいては地球がどのようになっているのかを知ることになります。植物から学ぶべきことは多くあり、まずは身近に1種1輪の季節の花を生ける、愛でる、世話をすることを行うことをお勧めします。先日もチューリップが球根から栄養を得て育つことや花と葉のマッチングができないお子さんもいました。元々チューリップは中央アジアが原産ですが16世紀にオランダへ渡り、その希少さからチューリップの球根の値段は家と同じくらいの段がついたと言います。そんな歴史的背景や種類の多さの話を紐解いてあげたり、実際に植えるなどして世話をさせると関心は生まれやすくなると思います。



4、室内を春らしく整える

部屋に春らしい花を生けたら部屋のパブリックを春らしいものに変えたり、お部屋の一角を春の室礼にするなどしてみるなど方法はいろいろあります。我が家ではソファークッションカバーやテーブルクロス、ベッドスプレッドを春色にしたり、子供部屋だけのカーテンを四季に合わせて4種類準備するなどしてきました。金額的にもかかりますが一度質の良いものを揃えてしまえば毎年使用することができます。

あまりお金をかけずに室礼を楽しむという点では子供が描いた春の絵や工作を飾ること、お母様自体が楽しんだ春を形にしてみても良いのではないでしょうか。子供が描いた作品はその年齢でないと出ない味というものがあり、私も子供が描いた作品をコピーし布に貼り付け子供のアウトラインを刺繍糸で太めにステッチし、共同で刺繍作品にしたことがありますがその布は戌の日の腹帯を使用しました。この方法は兵庫出身のお友達に教えてもらい素敵なことと共感し夢中になりました。



5、食事に春を取り入れる

春は苦味を食べよということが日本では言われますが、春野菜には昆虫などから身をを守るために独特の苦味成分である植物性のアルカロイドを発生させます。冬の間いに溜め込まれた老廃物の排出する解毒作用があり腎臓の濾過機能を向上させると言われています。今製薬会社のサプリメントの問題もあり正しい食事を見直す時期にも来ている様に感じてなりません。子供達は春の苦味を食させるのは難しいでしょうが、苦味を感じさせない調理法を考えてみることも楽しんで欲しいと思います。

また子供の好きな春の果物を新鮮なうちに頂いたり、果物のコンポートを作っても良いでしょう。我が家では餅好きの主人のために春には桜餅を作っていました。餅米感の強い桜餅ですが簡単にできますので来週水曜の手仕事『さくら餅』2024年4月3日の記事をヒントに作ってみてはいかがでしょうか。



6、春の絵画に触れる

春の絵画は西洋、東洋ともに多くの作品があります。印象派のモネやルノワールをはじめとする画家の作品が多くあります。ボッティッチェッリの『春  プリマヴェーラ』、ゴッホの『花さくアーモンドの木の枝』『果樹園』『ドービニーの庭』、アルフォンス・ミュシャの『春』、モネの『春の頃』『ジヴェルニー、春の効果』など鮮やかな光景が広がります。また日本画に目を向けると東山魁夷氏の『花明かり』、横山大観氏の『夜桜 花』『富士と桜』などは日本独特の春という概念を垣間見ることができます。絵画を通して各国の春を知ることも素敵なことで絵画で各国を旅してみるのもいいかもしれません。



7、春の音楽邦楽に触れる

春といえばどの様な曲を思い出すでしょうか。私は年代によって色々な曲が浮かびます。会社の同期と部の花見を抜け出して福山雅治氏の『桜坂』の舞台となった田園調布の桜橋の上で写真を撮った経験がありますが・・・なんといっても文語体の美しい言葉で綴られているユーミンの『春よ来い』は誰かを待ち望んで長い月日をでもありますがどこか切なく愛しい面影とは誰のことなのか・・・想像を膨らませてしまいます。春といえば厳しい冬を耐え忍んでこそ訪れる心躍る季節です。よって日本人は春の代名詞である桜を春の象徴にし、そしてその桜の儚く美しい様子をこのん絵いるのだと思います。春の邦楽の中でも桜をタイトルにしている楽曲は列挙しているとキリがありません。いつもならクラシック曲をあげるのですが、春という季節にはぜひ邦楽を、童謡を、唱歌を聴いたり歌って歌詞をしみじみと味わって欲しいと思います。



8、大人の春の時間を作る

日々子供中心の時間を過ごされているお母様方は多いと思いますが、自分自身の時間を持つことはエナジーチャージになるものですから、好きな春時間を好きな春を手繰り寄せて過ごして欲しいと思います。

Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。