絵本『雪の女王』

明日の子育てサジェスチョン提案『黙読の薦め』を受けて今回は黙読をしながら静かに挿絵が楽しめる作品をチョイスしました。アンデルセンの原作とは異なる部分がありますが淡々と黙読するには読み応えがあります。原作よりも端折られているのでカイとデルタ心情の読み取りが不足しているように感じましたが、淡々と黙読するにはトレーニングになる作品だと感じています。かなり長い作品なので幼児向けに読み聞かせを行うのは数日かけて行うしかありませんし内容を理解するにも時間がかかるっと思います。対象は小学生とお考え下さい。

映画『アナと雪の女王』の大ヒットでこの絵本を見た子供達はアンデルセンの原作の雪の女王を思い出す子供は皆無です。ほぼディズニー映画を思い出すのでこれはどうしたものかと少々困惑しています。映画の視覚先行で映画を多く見ている子は文章発信での物語をイメージする力が定家しているように感じています。親御さんの中にも耳にしたことや目にしたことはあるが読んだことがないとの意見も耳にします。またこの作品を見て『千と千尋の神隠し』を思い出したとの意見もいただきました。映像を見ることと物語を絵本で読むという経験のバランスを考えてほしいような気がします。

この作品はエロール・ル・カインの挿絵に魅了されている方が阿藤的に多いと思います。原文を忠実に訳したのではないかと思われる文章表現にいささか勿体無さを感じます。また雪の女王が昔は心優しい少女であったことなど物語をグッと深める場面も端折られていることが残念ではありますが、ゲルダのカイを見つけるたびに焦点を当てた作品として読むことには十分であると思います。しかしできれば複数の雪の女王を読んでほしいと考えます。

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