提案『子供のいたずら No.1』

今回から数回に分けて子供達のいたずらについて記事を記していきます。子供達に見受けられる好奇心や興味から発生する小さな実験といたずらの違いについて、そして3歳上の子供自身の思いや語感を満たすためのいたずら、そして他者を巻き込んだいたずらについて、そしていたずらに対しての親としての心構えを数度に分けて記事展開してまいります。

0さから2歳までの子供達が自分自身の好奇心や興味から生じるやりたいことはいたずらとはせずに心身発達のための本能的実験として捉えています。ではいたずらとは何かということですが、先述の実験とは異なり自分自身に注目を得たい、親の愛情を確かめたい、好奇心や興味関心から発生したもの、人の反応を楽しむ、そして更に刺激を求めた行動などのいたずらがあります。

このいたずらを行う年齢は3歳以上から小学生に見受けられ、大人側からすると問題行動のような位置付けのものもあれば、とても微笑ましいものがあります。いたずら問題行動を起こした場合には子供に注意を促し行動を改めさせる必要もありますが、0歳から2歳前後までに繰り返される心身の発達的を促すいたずらと子供自身の中に芽生えるいたずらを分けて考えるべきだと考えます。今回は3歳上の子供自信が自分の思いを満たすためのいたずら取上げます。



1、親の関心を引きたい=私はここにいる

実は親の関心を引きたいというのは虐待や家庭内暴力などの家庭環境に問題がある場合だけではなく、兄弟が生まれたり親の仕事が多忙になり子供との関わりが希薄になったり、また親の感情の起伏が激しく感情で叱りつける場合にも見受けられます。子供自身が問題を起こして自分の存在を親に示すために「僕はここにいる、私はここにいる」と訴えかけている場合に出現する行動です。他のいたずらとは異なり深刻になるケースもはらむものです。

さて親の関心を惹きたいというのは『こっちを見て欲しい』『私にかまって』という子供にとっては一番表現しやすい方法でシグナルを出していきます。例えば下のお子さんにちょっかいを出したり、仕事を向かう前に何か理由をつけて愚図ったり、いたずらよりも少し深刻に思われる行動をとることもあります。私がこれまでに相談を受けた中には保育園に向かう時間になると腹痛を訴えトイレに座り続けたり、着替えて欲しいタイミングでアップライトピアノの上からダイブをしたり、授乳中の限り飲み物が欲しいと言い出し飲み物をこぼすことを繰り返すなどパターン化することで親が困ることを通して自分自身の存在アピールのです。

微笑ましい子供のいたずらとは明らかに違う行動です。親が自分自身の存在を認め、親の愛情を子供自身が感じるまでその試し行動は続きます。ですからこのような行動が出現した場合には確りと子供と向き合う必要があります。



2、単に思い立ったことや物事を楽しんでいるいたずら

子供達のいたずらは比較的楽しいものであって欲しいと願いますが、子供達の感性は日々の生活の中に存在することを何気なくついつい実行し楽しんでいることがよくあります。我が家の子供達も洗濯したばかりのシーツを体に巻き付けてお化けやプリンセスに真似事をして家中駆け回ることやママ友からもらったスプレータイプのホイップクリームを目を離した瞬間に全てを出し切ってしまうということがありましたが、行動している本人はイタズラとは捉えずに目の前にあることを全力で楽しんでいるいたずらです。私のように年数が経てば子供のいたずらが微笑ましく、あの頃こんなことがあった、こんなことをしてたと思い出し笑いができる可能性があるのがこのタイプのいたずらです。子育て真っ最中の頃は子供のいたずらにカッカしてしまうこともあるでしょうが叱る前に以下のことを考えてみて下さい。

・なぜ子供はこのようなことをしているのだろうか

・何かを発見したのだろうか

・何かを思いついて実験しているのか

・使用しているものが人の所有物であるか否か

・そのいたずらに危険性があるのだろうか

このタイプのいたずらで叱っていいのは他社のものを使用しているときや危険性をはらんでいるときです。それ以外のことについては多めにみてあげて後々笑えるように証拠写真を画像として残しておくととても良い思い出になります。



3、興味や関心が全面に出て集中しているいたずら

日頃気になっていること疑問に思うこと、また夢中になっていることをどうにか表現しよう、確かめてみようということを実行するいたずらです。このタイプのいたずらも子供達はいたずらだとは思いも考えもせず実行します。大人からすればどうしてこんなことをしているの?やしてしまったの?と伝えたくなりますが、先述の思い立ったようないたずらとは異なり子供なりの思考が関係しているので親側にはそのいたずらを掘り下げることが、子供の好奇心や関心、興味をより育てる方向にベクトルを向けることができます。

クリスマスのイベントを行うときに子供が枕をお腹に入れたらサンタクロースになれるのではと家中のクッションをかき集めてズボンに詰め込んだり、世界各国の国土を食パンを食べるたびに食パンで形成したり、ピサの斜塔を見てからものの落下にこだわったかと思えばボールを真上に投げるとどこまで届くかなど実験をして照明器具を割ってしまうこともありました。その痕跡は今もなお残っていますが、子供にいたずらの理由を尋ねると叱るに叱れませんでした。度が過ぎることや危険がある場合には注意を促し親子で取組んでみることも必要だと考えます。



4、五感の刺激を求めているいたずら

視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚の五感をフル活用する刺激です。雨降りの中傘もささずに濡れることを楽しんだり、水たまりを出たり入ったり、日常の中の非日常的動作をついついワクワクドキドキとした感覚を楽しみます。またよくあるのが道具を介したいたずらです。例えば食事中にスプーンやフォークでコップや器を叩きその音の変化に気付き、ものの材質の違いや器に入っているもののや液体の量の違いで音が変化することに気付いたり、ハサミの使用に目覚めると切れ味を確かめたくなり色々なものを挟みできるなどの実験を行います。我が主人は恐ろしいことに子供の頃盆栽用の裁ち鋏で家の電気線を切ったことがあると言います。感電してもおかしくない状況を招く好奇心は目も当てられませんので刃物の扱いには注意が必要です。血筋なのか電線こそ切りませんでしたが、爪をどこまで切ると痛くなるのかとか前髪をどこまで切ると垂れ下がらずに水平になるのかなど色々と実験していましたが、痛みを覚えることに関しては2度としなくなるので男の子はある程度必要なことなのかとさえ思いますが、必ずなぜそのようなことをしたのか理由があります。

例えば爪切りで痛い思いをしたときになぜそのようなことをしたのかという理由については、お友達が爪を切ったときに深く切りすぎて外遊びをしないと断られたので、同じことになればその子が一人で教室にいることなく二人で遊べるというものでした。また前髪を根本1cmで切り落としたのはキューピーちゃんが可愛いから自分も同じ前髪にしたかったというものでした。子供達にはそれなりに正当な理由があるのです。


次回は他者を巻き込んだいたずらについての記事『子供のいたずら No.2』を記してまいります。そちらも併せてお読み下さい。

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