提案『物を並べる秩序性』
2021年5月10日『秩序の獲得期』と題して3年ほど前に記事を書いてからだいぶ時間を要し、やっと2歳児の秩序性について記事を書くことができました。秩序性についてもう忘れかけているという方はもう一度2121年の記事をお読みいただけると、今回の記事が理解しやすいものとなるでしょう。
秩序性は子供自身が自らの基準を持つために出現する発達です。かい摘むと自分自身の周りや自らの立ち位置はどこであるのかを場所や秩序・時間・所有・習慣を通して理解する発達です。いつもと同じであることに安堵感を得て情緒の安定を図り、自分自身の中の基準となるものさしを持ち様々な視野を広げていきます。
今回は2歳児に見受けられるものを並べるという秩序性についての記事となります。
ものを並べる行動にはどのような意味があるのか先ずおさらいしてます。
1、安堵感を得るために
2歳前後で子供自身が自分なりの考え方や分類の仕方でものを並べ始めます。好きなミニカーやぬいぐるフィギュア、お人形などを並べたり、我が子の場合には本の世界に冒険に行くんだとドールハウスと併用でこのような遊びをすることがありました。この時に大変興味深かったのがドールハウスに近い絵本はお気に入りで、だんだんと遠ざかるごとに興味薄の絵本になっていくという子供の心情を垣間見ることができる配置であったことです。この発達から読み聞かせの参考になる状況も生まれていました。また積み木を枕木に見立てて汽車のおもちゃを走らせててみたり、東京の高層ビル群を作ってみたりと秩序性の発達と連動させて遊びを展開させていくこともの興味深く面白いものとなります。
2、微細運動(モータースキル)を鍛える
小さなおもちゃを手にして等間隔にものを並べたり、等間隔に並べるまでいかなくても慎重に並べたりする手指の器用さをこの秩序性の発達で鍛えることになります。
ミニカーなどの安定しているものは容易に配置することができますが、動物や恐竜、フィギュアなどの指先で安定性を確認しながら並べることで秩序性+微細運動の両方の発達と能力を伸ばすことになります。指先の器用さは一挙に発達するものではありませんので上手に並べることができないと心が折れて諦めたり、感情的になる子もいるのでその場合にはサポートが必要になり温かな見守りを心がけてほしいと思います。
3、集中力や問題解決能力を身につける
子供にはモータースキルを鍛えるチャンスが月年齢で発達として必ず実行されます。乳児期のハンドリガードからスタートし、手を使って離乳食を食べ、物を扱って物の出し入れを楽しみ、おもちゃを使用して様々な動きを習得していきますが2歳になるとこの秩序性で手指を通した集中力を磨く段階に入ります。
ものを並べるにはかなりの集中力が必要になり手と目の協応動作が必要不可欠になりますが、そこに存在させるべきは成功体験も必要ですがそれよりも失敗や思うようにできないこと、または達成できそうでできない後一歩的な体験をさせることです。どうすれば成功することができるのかを考えたり、思いついた物を懸命に探したり、並べるものの方向性をガラッと変えてみたりと目の前にある問題をどう解決するか、創意工夫で乗り越える力などを身につけることもこの秩序性で学ぶ大きな意義です。
4、属性分けの学びで視野を広げる
子供達の学びの中で大切なものの中に属性を基準としたものの方向性を多角的にみる学びが存在します。その土台もこの秩序性で幅を広げることができ、繰り返し遊んでいるうちに視野の広い捉え方ができるようになります。
例えば我が子は乗り物をただ並べていたことを繰り返していたかと思えば、お気に入りを先頭に並べ、そして色毎になり、働く自動車、水陸空の仕分けや車輪の数毎に、我が弟に関してはスーパーカーに嵌り衣装ケースの溝を使用して色々な属性毎に並べていた記憶があり、私が少しでもそれを触ろうものなら歪んだ、車の正面はこの方向にしないとダメなんだと文句を言われた経験があります。秩序性とは時に自分自身が並べたものに関して拘りがあり嫌だなと怒るなどの感情が出たりしますが、その拘りが健常児でも強く出る場合もあります。しかし拘りがあっても人とのコミュニケーションや別の遊びへの促しが容易にできる場合には健常児の想定範囲内の発達だと判断してもよいでしょう。
5、お片付けの土台作りで脳整理
秩序性で並べたものは子供の拘りがある場合が多く、発達なので十分させてあげたいと思う反面親が困ることは並べたまんまの空間を放置しておきたい子供たちとのバトルです。マンションにお住まいの方々はお部屋も限られているということでどうすべきか悩ましいでしょう。
そのような場合に発動するのは新たな視野や発想での秩序性の学ぶを広げるチャンスの言葉掛けです。私が行っていたのは現状維持の状態で満足感を得る場合の段階は数日放置し、安心安堵感の獲得を優先します。その段階を経て発想遊びが必要になる様子が見受けられた場合にもその確認をすることを優先して放置します。その後子供が今回はこれを作ろう、次回はこうしようと発言が出てきたらお片付けを促していきます。
この秩序性は同時にお片付けへのチャンスの到来です。できるだけお片付けに移行し尚且つ整理整頓へ繋がるように導くことが学習能力を上げるにも必要なことになります。このことについてはまた別の機会にお話しすることにしますが、人間脳行動と脳は密接に繋がっているので道筋を立てて行動していく人のものの考え方は理路整然としていつでもどこでも情報をインプットもアウトプットも自在にできるようになります。それは子供の頃から反復し行っていると脳の整理術に繋がり片付けが上手ということだけではない大きな能力が備わるチャンスだと言えます。
6、2歳児の空間認知
空間認知というと図形力を想像してしまいますが、2歳児の空間認知はものの大きさ、長さ、太さ、重さ、高さ、位置方向(内外・上下・左右・前後)を中心とした基礎概念的空間認知を学ぶ機会を得ることができます。これらについては個人差がありますが1歳半前後から理解を促していくことになるので秩序性を促しながら学習したことを反復練習していくことになります。獲得は働きかけをした内容をこの秩序性の遊びの中に応用できるような声掛け働きかけを行ってほしいのですが、学習優先ではなく遊びや発達を優先し子供発信で行うようにしてほしいと強く願います。
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