提案『ひな祭り蛤貝合わせを楽しむ』

1月のお正月飾り、2月の節分、バレンタイン、そして3月の雛飾りと目まぐるしく室礼を変えなくてはならず、雛飾りもあっという間に静かな眠りへと誘われていく運命にありますが、短い時間だからこそ目に焼き付けて幸せなひと時を過ごしたいと思います。

さて雛飾りを飾るとお母様方との話題に上るのが蛤のこと。食したり貝合わせをしたりと用いますが、蛤は決して他の蛤とは合うことがなく必ず一対になるので生涯一人の人と添い遂げられますようにとの願いが込められています。そんな親の思いを込めた蛤の用い方を今回は提案してまいります。

下の写真は我が家にある貝合わせです。丸美を帯びた美しい三角の蛤の外側に四季折々の日本伝統の図柄が美しく描かれています。食して終わりの蛤を風情豊かに遊びとして取り入れる日本伝統の奥ゆかしさを感じることができます。

貝合わせの起源とは

貝合わせの起源は平安時代の貴族が春になり蛤の形や大きさ、色合いを歌の題材として読んだことが始まりだと言われています。その後に蛤の蝶番を切り離し、複数枚混ぜてその中から合う一対を選び出すという貝覆いが貴族の子女の間で行われ、やがて時代の流れで貝合わせと呼ばれるようになり現代に受け継がれています。そんな雅な世界の雰囲気を味わうことができるのがこの時期です。ご家庭に雛飾りがある場合には子供たちと共に雛飾りを飾り、蛤の潮汁や焼き蛤、蒸し蛤をいただくと一気にお腹も満たされて桃の節句を楽しめることでしょう。そして更にもうワンランクのひな祭りを楽しむなら貝合わせを行い慎み深く上品で雅趣溢れる世界観に浸ってはいかがでしょう。



1、蛤ってなあに?五感で確認しよう

子供達に蛤のことを毎年質問してみるのですが、蛤というものがどのようなものなのかわ分っていない子供達が圧倒的に多いです。知っている子はひな祭りに潮汁をいただいたり、貝合わせのペイントをした経験や教室に通う生徒さんの場合は毎年貝合わせを見ているので「あれね」といった感想をお持ちのようですが、蛤もアサリもシジミと同じものと思っている子は案外います。

ですから先ずは「蛤って何?」というもの自体を知るということが必要です。一番理解しやすいのは実際に手にしてみる食してみることが望ましいと思います。そして蛤、アサリ、シジミの3種類を正しく見極めることも理解を促すこととなります。その伝え方としてはシジミは黒か濃茶色をしていて2〜3cmと小さく、アサリは殻の表面がザラザで3〜4cm、そして蛤は表面がツルツルで丸みを帯びて白っぽく小さくても5cm前後が平均的な大きさですが、大きなものとなると10cmほどになります。ひな祭りの時期になるとこの3種類が店頭に並ぶこともあるので購入し見比べてみるのも良いでしょう。ちなみに沖縄ではこの3種類を取ることも可能だと耳にしました。潮干狩りに出掛けてみるのも良いかもしれません。



2、蛤を食してみよう

日本の伝統行事の中には四季や行事を楽しむ中に自然の恩恵を取り入れていること多く、ひな祭りには桃の花を飾り、潮汁や桜餅をいただきます。沖縄のスーパーで見かけるのはシジミやアサリが多いのでこのひな祭りの時期に蛤、アサリ、シジミを味比べしても良いかもしれません。シジミはシジミ汁、アサリはアサリご飯やボンゴレビアンコ、アクアパッツァ、蛤は焼き蒸しを味わっても良いでしょう。個人的に焼き蛤が好きですが、焼き蛤の汁を半分捨ててしまうのが残念です。なぜ捨てるのか?などは食してみないと気付かない事実だったりするので五感を刺激し物事を知るという知的好奇心を育むきっかけ作りになるかもしれません。

子供達が小さい頃はひな祭りが近くなるとスーパーの魚コーナーに大きな蛤が並ぶのを心待ちにしていましたが、沖縄では小ぶりの蛤しか見つからないので大きな蛤の販売を切に願っています。他の方法として日本料理屋店では10cmほどの大きさのはまぐりの酒蒸しや焼き蛤を出してくれるところもあります。プロによる潮汁に贅沢な美味しさに舌鼓を打ってみたりすることも良いのではないでしょうか。



3、蛤の貝を器に見立てよう

料亭や高級旅館では大きな蛤の貝に料理を載せて出してくれたりします。私は中居さんにお願いして貝を捨てる場合にはいただいて帰れるように頼んでいました。一つ二つくらいあるとひな祭りやお正月、お祝いの席などの料理の器として活用しています。写真はイカ、マグロ、ホッキ、サーモン、タコなどの刺身を載せてみました。器として使うのは和風だけではなくスペインのバルをイメージした小さな料理を載せてみるのも楽しいかもしれません。コロナ前のクリスマスパティで実行しようと思いつつできぬままとなってしまいましたが、いつの日か実行できる日を願いつつ・・・



4、ペインティングをする

貝合わせように自分たちの作品を作るということです。蛤の貝を食したのちに汚れをしっかりと落としたのちに、煮沸消毒し天日に干したら後は油性絵の具で好きなようにデザインしていきます。中に描いても良し、外側をペイントしても良しで好きなように自分だけの貝合わせを描いてみましょう。


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