絵本『はらぺこあおむし』

認知度のかなり高いエリック・カールの『はらぺこあおむし』ですので今更皆さんに告知する作品でもないのでしょうが、今週は子供達の時間軸の学びをしてもらう意味についての話を明日の提案記事2024年7月8日(月)『時系列を育てるために』を予定しているため、4原色の色の視覚認知の発達を終える月齢よりスタートして読み続けて欲しい作品として、教室ではかなり重要な作品として位置付けています。


お月様の淡い光の下で小さな命が生まれている静かな静かな夜に、子供達は息をころしながら聞き耳を立て、視線は葉っぱの上の小さな命に注がれていました。この瞬間が私は大好きで子供達は何度も読んでいるのに読むたびに息を潜めて集中してくれました。


そして次のページを開くと卵から生まれた青虫が太陽に向かって食べ物を探し始め、月曜日は、火曜日は・・・と時間を過ごしながら、食べ物とその数を絡めた場面があるかと思えば、人間が食べるものさえも食べてしまうというあり得ない空想の世界を楽しむことができる作品です。

この作品を読むまでは子供達は蝶々は蝶々のまま誕生すると思っている子供もいますし、あおむしが蝶々になるなんて思いもしない子さえもいます。子供達の経験値を上げるきっかけにもなり、思考と時間経過を促すこともでき、何より視覚的にもダイナミックさと繊細な配色とデザインが唯一無二の作品なんだと感じています。そしてこの作品は元々デザイナーであったエリックカールが手がけたカードだったと言います。小さな虫がりんご・なし・チョコレートに穴を開けて進んでいくという3場面を描いたものだったようで物語ではなかったのです。当時の担当者がこの作品の魅力に気づき物語の道を歩んでいくのですが、本国アメリカではその仕掛け絵本の出版に名乗りあげる出版社がなく、難しいことを承知の上で名乗りを上げたのが日本の偕成社だったそうで、1969年に初めて日本で出版された大変生きの長い作品です。

残念ながらエリック・カール氏は2015年にお亡くなりになっていますが、デザイナーである彼のデザイン性を継承する作品をこれから多く手にして欲しいとも思います。

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