絵本『のうさぎ』

1973年に初版されたこの作品は簡潔にのうさぎの冬の生活中心に物語が綴られています。ひらがなが読めるお子さんなら文章量も少ないので一人で読むことができるでしょう。物語の展開が大変短いスパンで描かれているので想像もしやすく、どちらかというと自然界でののうさぎの生活を淡々と説明しているような作品です。

絵はすでにお亡くなりになっている藪内正幸氏のリアルな線描写が美しい作品であり、そのモノクロでリアルさからのうさぎを狙う くまたかときつねの迫力に恐ろしさと緊張感が生まれます。そのリアルな描写は子供達が作品の中に没頭していく最大の要因です。動物が主人公の作品というだけあって風景の描写は引き算されたものになっていますが、その風景と動物描き方の落差によってより動物がイキイキと描かれています。

お子さんはこの裏表紙や冒頭の雪景色の原野に残るのうさぎの足跡のつき方に疑問が生まれたでしょうか。うさぎの後ろ脚は長く、前脚は短いので足跡からのうさぎの走り方や飛び方の特徴を理解できる薮内さんの作品に立ち戻ることができます。実際に観察していなければこのような描写を描くことはできないでしょう。そう考えると藪内正幸氏の観察眼の鋭さに親子で気付きよりうさぎの特徴を理解できるという優れた作品です。

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