絵本『おにぎり』
今週は子供がものを作り出す造形についての記事を予定しています。造形にはいろいろなモータースキルが必要ですが、その中でも物を握るという動作の獲得を開始するにあたり勧めているのが、ラップを用いておにぎりを握るトレーニングです。そのために今回は思入れのあるこの作品を読んでいただきたいと思います。
淡いパステル画のシンプルなおにぎりを握る動作に、短い言葉と擬態語がリズミカルに展開されています。おにぎりをくるっ、くるっ、くるっと握る様子が静止画で描かれていますがどうしても動画に見えるのは自身の体験がそうさせているのかもしれません。絵本なのに浮き出てくるので出来上がりのおにぎりが美味しそうに見えるのでしょう。経験があれば作品の中に身を投じて思考をめいいっぱい働かせながら読み解く事ができます。読解力で必要な解釈は思考力が働かないと読みこなせませんから、読んで実際におにぎりを握って、また体験後に絵本を楽しむことを実行して欲しいです。絵本を味わって読むことは最優先にして欲しいと考えますが、時系列の学習や記憶の反復練習を行うにももってこいの作品です。
この絵本は我が子達が穴を開くほど見て読んでそして私も何度も何度も読み聞かせた作品です。この作品を読んでいると懐かしい祖母の手を思い出し私は懐かしく感じたのですが、子達は絵本の裏表紙の梅干しを見て「沖縄のおばぁちゃまは梅干しの種を抜いてくれるよね。」と裏表紙にまで重入れのある作品です。
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