絵本『ライオンのこころ』
誰にも気付いてもらえない小さな体のネズミと大きな体の立派な立髪を持ちけたたましく遠吠えするライオンとの心を通い合わせる物語。
絵本の魅力というのは動物の世界の食物連鎖から大きく掛け離れ、現実にはあり得ない世界を物語を通して楽しめることではないでしょうか。この作品もその非現実的世界を楽しむことができる作品です。
内容はあまりにもあっさりとした話の流れに物足りなさを感じる方もおられるでしょうが、この作品のさらなる楽しみ方というのは、作者のしたためた文章と文章の行間に自分ならどのような文章を書くことができるのかという心情をあれこれと考えることができることです。本当の意味での読解力と思考力を磨くことができる余白のある作品だと感じています。つまり字面を読むことも大切ですが、この厳しい時代に自分らしさを出して逞しく生き抜くためには、自分ならどうするどう考えるどのような表現をするかということを磨くことも必要です。このような読み方を繰り返し行うことができると読書の幅の広がりを獲得することができるでしょう。
ここからは明日の記事に結びつける話をしておきます。
私はこの小さなネズミが幼い子供のように、そして大きなライオンは親のように見えます。親の姿は強いように見えても子供のこととなれば弱い点を持ち、子供は小さくても清らかで大きな力を秘めているものです。この言葉を念頭に明日2024年10月7日の提案記事『子の自己評価は親の言葉掛けで出来上がる』を一読していただければと思います。
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