提案『1歳児の集中力を伸ばす手作りおもちゃ』
前回2024年9月2日『1歳児が獲得すべき集中力』で予告していました通り、今回は1歳児が集中できる手作りおもちゃを取り上げていきます。できる範囲で促していくよう心掛けましょう。
1歳児は人生初の知恵の出現時期なので完成された質の良いおもちゃを与えることも必要ですが、私の考えでは完成されていない手作り感満載のおもちゃの方が子供感性と遊びとの化学反応が起きやすいと感じています。よってなるべく1歳児は身の回りにあるものをリサイクルしたり、安価で手に入るものを使用して手作りすることをお勧めしています。
それでは子供の遊びの幅を広げ尚且つ脳に刺激を与えながらモータースキルを鍛えるためのおもちゃを取り上げます。残念ながら貸し出し中の物もあり1軍ばかりではありませんが、これらを参考にし発想豊かに作っていただけたらと思います。
1、ものを出す
1歳児の手作りおもちゃといえば入れると言う動作を中心にお考えのお母様もおられるでしょう。しかし子供は入れる前に必ず出す動作を発達上行います。お母様のバックの中から何かをごそごそと出したり、玩具箱の中身を全て出して喜んでいたり、時には絵本棚から全ての絵本を取り出していることもあるでしょう。家の中が散らかって仕方がないことではありますが、子供の発達は形ある状態を先ず崩す壊すから始まることを理解してください。つまり片付けを教えるためには子供達は散らかすことを実行して初めて片付けを学ぶのです。また出すということを楽しみながらというと出させて終わりと思いになるでしょう。しかし次のステージである片付けを念頭に入れながら少しづつ入れることも教えていくことになります。
2、引き出す・引っ張る
ティッシュペーパーにトイレットペーパーや引き出しから色々な物を引き出してニンマリしている子供の話をよく耳にしますが、このモータースキルは手指の微細運動のみならず、手や指、腕がどこまで入るのかと奥行きを確認している発達が含まれています。我が家では重い木製のチェストやタンスの引き出しを行うのは無理と判断し、子供が引き出しやすい衣装ケースを準備し子供自身の物を入れて存分に引き出させました。引き出して山のように積んだ服に埋もれることや跨いだりと楽しんでいたのを記憶しています。衣装ケースやタンスを引き出すことには怪我などのリスクがあるのでなるべくリスク回避を考え行う必要があります。それがどうしてさせてあげられないという場合のために空き箱や缶に穴を開けて紐やチェーンリングを入れて引き出させるおもちゃを作ってみてはいかがでしょうか。チェーンの太さや長さ材質を変えて色々な刺激を脳へ送りましょう。
3、マグネットを貼る
昨今は100円ショップに色々なタイプのマグネットや粘着性のものが売られています。シール貼りの取組み前に行ってほしい微細運動です。ペタペタとくっつく感触を楽しんだり、剥がす時の抵抗感や感触を味わうことができます。今回は手作りマグネットが貸出中なので市販のものを掲載していますが、マグネットシートにシールなどを貼り動物や果物野菜などのものの名前を遊びながら覚えることも可能です。
じっくりと対象物を見て目と手の共応動作を獲得してほしいと思います。
4、マラカスを振る
この遊びはお座りができるようになれば使用可能なおもちゃです。生後8ヶ月以降に夢中になる遊びですが、R1の容器に色々な材質の異なるものを入れて音の違いを楽しむようにします。ビー玉を入れて重さを出したり、おはじき、パールビーズの大中小、大きさの異なる鈴、アイロンビーズ、木製のビーズ、プラスチックの小物などフルと音の違いに気づくようなものを入れます。「どんな音が聞こえるかな?」など傾聴を促すようにするおもちゃです。
5、ぽっとん落とし
1歳児の手作りおもちゃといえば真っ先に思いつくものがこのポットン落としではないでしょうか。空き容器や缶を使用して色々なものを入れるようなものを作ります。いろいろな容器を準備し落とし入れたときの音を楽しむことができます。中が見えないもや見えるものなども準備し中を覗くという観察眼の目を養う前段階の動作も獲得させておきましょう。
6、多くの異なるものを入れる
色々なものを入れる刺激を与えます。丸いもの、四角いもの、細長いもの、柔らかいもの、固いものなんでもいいので手にしたものの情報を感じた上で様々な容器に入れるスキルを磨かせましょう。容器の穴の大きさや形もいろいろなものを準備し入る入らないを経験させ思考の芽を出させます。
指先の動きを更に磨きたい場合には入れるものの太さや細さ、材質などを変えて更に集中力に磨きをかけ時間を伸ばすようにします。この1歳児の集中力の質を上げるということがその後能力差に繋がりやすくなります。
7、対象物を刺す
1歳児はまだまだ手を直接食材に伸ばし口へ運ぶこともあると思いますが、スプーンは比較的放っておいても上手に口へ食べ物を運べるようになります。
しかしフォークは手指のモータースキルが発達していないと扱うことが難しいと感じ使いたがらず手で食べることが長い時間続きます。よってここで子供達に対象物をしっかりと目で追ってピックで刺すということを行ってもらいます。先ずは刺すということを理解してもらうために粘土にピックを刺す遊びを促します。徐々にその粘土の大きさを小さなものにしていき、かなり小さなものも刺せるようにしていきます。できれば刺した時の感触を味わえるようにソフトな紙粘土からお肉などをイメージした固い油粘土へと移行していきましょう。それがこなせたらフォークの扱いは上手になります。
なるべく短めのピックを準備し、そのピックの上のつまむ部分はいろいろな形があった方が摘んだ時の感触が異なり刺激を与えることができます。
8、掛ける・引っ掛ける
少し目線を上げるを意識した取り組みを促します。これまでの取り組みは下を向いての動作ばかりですが、少し目線を上にあげて掛ける、引っ掛けるを促していきます。今回はビーズを輪にしたものやアイロンビーズの中央が開いたものを掲載しています。他にも輪ゴムや髪留め用の可愛い色のゴムでもいいかと思います。一つの動作ですが用いいるものの種類を多く揃えるということに意味があります。また穴を小さく狭めていくとより手元を見て入れなければならないので注意力も集中力も格段に上がります。
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