手仕事『出汁を活用しましょう』

これから離乳食開始の生徒さん向けに出汁の使用についての依頼があり記事にまとめることにしました。とはいえこの出汁は離乳食だけに活用するのは勿体無いので乳児から大人まで味わってほしいと思います。

それでは離乳食での出汁について話を進めますが離乳食に出汁を初めて使用する場合は必ず単体にしましょう。今回使用のだしは基本の4品です。また市販の出汁パックをご使用になる方もおられるでしょうが、市販の出汁には色々な食材が入っているため万一体調変化が出た場合にはその原因を突き止めることができません。その点は必ず注意し与える出汁の順番にも気を配りながらアレルギー反応が出難いものからスタートします。

離乳食を始める頃の乳児の発達は臓器が未発達ということもあり、離乳食開始は味を付けず素材の持つそのままの味を食してもらいます。昨今は臓器が発達するまで離乳食を遅らせる方もおられます。特に胃腸が弱いご両親の場合にはその傾向が強いようにも感じます。賛否両論色々な考え方もありますが、開始時期よりもアレルギーの有無を確認することを念頭にお子さんの体調中心で進めていただければと思います。また食物アレルギーのアレルゲンは大部分が食物のタンパク質に含まれるものなので出汁のを取り入れるのにもタンパク質の含まれる量の少ないものから進めていく方がよろしいでしょう。以下の内容はタンパク質の少ない出汁汁順で取り上げています。



1、野菜出汁

お米や人参、かぼちゃ、大根、ブロッコリー、トマトなどを茹でたり煮込んだりしながら離乳食の初期は進めると思いますが、その茹で汁を野菜の出汁として使用することができます。我が家では離乳食後半では切り干し大根のも戻し汁も野菜出汁として使用していました。ただしここで注意しなければならないことは、乳児は大人よりも味覚細胞の数が多いため離乳食開始時に旨み成分の強いものを与えてしまうと、旨み成分を好むようになり味付けの薄いものを食さなくなります。我が家ではその無農薬のフルーツトマトをミキサーで潰して野菜の煮込みに使用したりしていたのですが、ある日あまりにも美味しくできたので薄めずに与えてしまい、トマトのグルタミン酸の虜にさせてしまいお粥を食べなくなってしまった過去があります。旨みが強烈なものは必ず薄味にして使用しましょう。



2、昆布出汁

海産物の出汁はアレルギーがないかを必ず出汁だけを少量口に含ませてアレルギーを起こさないかを必ずチェックしましょう。これまで鰹出汁でお粥を食させて蕁麻疹を出したお子さんがいました。先ずは魚の出汁の前に昆布を使用しましょう。

昆布はアレルギーを出す子は少ないと言われていますがそれも100%大丈夫安全とはいえません。よって昆布だしも単体でほんの少し口に含ませることから始めましょう。昆布だしの開始目安は離乳食開始から1ヶ月半が目安です。



3、椎茸出汁

野菜、昆布出汁と続けば次は椎茸出汁に進みます。椎茸出汁は干し椎茸を使用しますが椎茸も旨み成分が強いので出汁は薄くして味わってもらいましょう。椎茸は子供達の中でも苦手な子は一定数いますので椎茸の出汁で旨みで広がる味の奥深さを体験させることも必要だと思います。ちなみに椎茸出汁は生の椎茸では出ませんので干し椎茸をしましょう。私の経験ですが大分さんの干し椎茸は良いお出汁が出ます。



4、鰹出汁

鰹出汁は沖縄では定番のお出汁ですがやはりアレルギーに注意し少量口に含ませることから始めます。目安としては野菜出汁から2、3ヶ月経ってから与えます。また鰹出汁は痛みやすいので必ず痛んでいないか香り味色を確認し、必ず高音で沸騰させたものを使用するようにします。



5、煮干し出汁

鰹出汁を与えてからから1ヶ月後に与えますが、その前にアジ、イワシ、サバなどの青魚を食してアレルギーが出ている場合は使用を控えます。煮干しは苦味の素となる頭と腹の部分を取り除いて出汁を取ります。我が家では全ての出汁はミネラルウォーターで一晩浸してゆっくりそしてじっくりと旨みを引き出してから、それを取り分けて沸騰してから使用していました。特に煮干しはエグ味も灰汁も出ますので他の出汁よりは手間がかかる分、煮干しだけの味を好まない子もいますから先ずは単体で与えて体調に変化が出ないかを確認しましょう。また煮干しが苦手な場合は他の出汁と合わせて使用することをお勧めします。


6、鶏ささみ出汁

離乳食後半で脂身のないささみを使用して出汁を取ります。鶏の脂身はお腹を下す原因にもなるので離乳食では控えましょう。ささみはお湯に入れるとかたくなり身も縮んでしまうので、水からささみを入れ火をゆっくりと入れるとパサつかずしっとりとして仕上がります。茹で過ぎるとパサつきますのでその点はご注意ください。またささみ肉咀嚼がうまくいかず口から一度出すと毎回吐き出してしまうので、ささみ肉を食させる最初が肝心です。肉は細かく小さめにしパサつきを避け尚且つ片栗粉や葛粉でとろみをつけると食べてくれることがあります。。



さて出し汁は作り置きができます。我が家では大人も食せるように以下の写真のように容器に出汁の元となる乾物を入れミネラルウォーターを注ぎ一晩寝かせます。その後鍋に移し替えて出汁だけを沸騰させ冷ました後製氷器や小さな容器に入れて冷凍庫で保管し、毎回出汁を取るところからせずとも出汁を使用できるので忙しい育児生活の賢い時短法と言えるでしょう。またいくつかの出汁を組み合わせるにはこの方法はとても便利です。一番出汁は子供用に2番出汁と具材は大人がいただくと良いかと思います。

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