絵本『世界の名画物語』
絵画の世界は視覚を刺激しながら思考を深める坩堝の世界だと私は考えています。その長きに渡る絵画の世界を子供達が知ることはただの絵画鑑賞では収まることのない思考の深みをもたらします。この絵本は簡単に絵画の時代変遷を知ることができ、尚且つどのような画家によるものなのかをイラスト画にしてあることも従来の絵画絵本より親しみを感じる点でしょう。
39作品が取り上げられているこの世界名画はラスコーの洞窟壁画から始まりグラフィックアートをモチーフにした作品を多く手がけたアメリカの画家バスキアまで幅広く取り上げています。
少し調べが甘いという点もあり北斎が彫り師になっていることが事実と違い、画家であるべき姿となっていないことが子供達に間違った知識を与えてしまうので、この作品を機会に葛飾北斎について調べてみてもいいのではないでしょうか。子供達には正確な情報を与えることが必要ですが、間違いを逆手にとって思考を深めることに繋げることができればこの絵本の間違いも活かせるものです。北斎以外は十分楽しめるのでお勧めです。
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