提案『上手くいかない時に掛ける言葉』

今回は子供が物事をし損じると心が折れてしまう場合や自信がなく常に不安で一歩踏み出せない場合、またあともう少しの頑張りが見い出せない時に親が掛ける言葉について記事を記して参ります。

子供達と日々接している中で問題を解いたり、教具を使用して学習を進めているとその行動や答えが合っているのかどうか自信がなく、正解かどうかを常に問うことが多いものです。しかし生徒さんの中には自分自身で正解かどうかを判断できる子供たちが一定数います。その子供たちはやはり予習や復讐を含めた反復学習が定着しているので、私に問うこともなく自分自身で正解であると自信を持って次々とこなしていきます。前者と後者の違いとはなんであろうかと考えた時に単純に反復学習や予習復習をしているとはいえないということに気付きます。

前者と後者の違いは答えを出す道筋をしっかりと思考しているかということが大きく関係しています。思考をしている子供達はたとえ間違ったとしても自分で再び思考し答えを導き出そうとするのでほぼ心折れフリーズすることはありません。詰まり間違えたと判断すると同時にどこで間違ったのかと再思考に直結していくからです。しかし心折れてしまう場合には正解かどうかが重要で自らどこを間違えたのか、どう考えればよいのかを再思考するという行動に移すことができないのです。正解か不正解かだけではなく、簡単に成功体験を導き出せた経験値が却って思考することを妨げているのです。遅くとも4歳以降は「はて?」「どうして?」「なぜ?」という疑問符のつく思考を頻繁にさせることがかなり重要だと考えます。

そしてこのような場合に子供にかける言葉を親が認識するためには、子供の変化を親が見逃さない、そして努力できる方向へと導く言葉をかけることが必要です。

では具体的にどのような言葉掛けをしていけばいいのか例を挙げて解説して参ります。


1、心折れている場合

心折れている理由を先ず親が把握しなければなりません。心折れたり理由を子供自身に言葉にしてもらうことが必要で「本当はどうしたかったの?」と声を掛けて、その後に親子で心折れた理由を回避する方法を子供が導き出せるようにアシストしてあげます。

「こうしたらどうなるだろうか」「こうすれば良かったかもしれないよ」「ちょっとやってみようか」と道筋を立ててあげながら子供自身が動けるように声を掛ける、軽い手助けをすることが必要だと考えます。

親がやってはいけないことは「できなかったんだ、失敗したんだね」と結論だけを言葉にすることです。事実を目の当たりにしている子供にとっては留めを刺してしまうだけでやる気にはつながり難いものです。ハングリー精神がある子にとってはその言葉で立ち上がる子もいると思いますが、昨今はハングリー精神や競争心や闘争心を持つ子供はかなり少ないと感じています。

もう一つ行ってほしくないことに答えを教えることや解法を教えて終わってしまうことがあります。これでは子供自身が思考するという重要な道筋を立てる経験を奪ってしまうだけで、似たような経験をするとまた心折れて項垂れてしまい子供に本当の思考と理解を促すことにはなりません。

心れている時こそその理由はなんであるのか、子供はどこで見誤ったのか思考不足だったのかを寄り添って見守ると必ず解決策は見えてきます、そしてこのような時にこそ落ち着いて前向きに思考し行動できるようにすべきなんだと導くことを意識してください。



2、明らかにミスした場合

この明らかなミスをした場合は親の勇気を与える言葉掛けでとても簡単に子供が立ち上がることができます。

子供が明らかに間違いにでくわしたら「どれどれ見せてごらん。」と確認をして「なんだ。もう少しでできそうじゃない。」「いつもならできてるのにどうしたの?」といつもならできている自分なんだと思わせることに解決策があります。できる自分の姿を子供自身にイメージさせると格段にミスが減ります。もしミスしないことを伝えてもミスが出る場合はイメージする力が弱いのか、親御さんの伝え方に工夫が必要かもしれません。

そして再度同じミスをしないように気付かせるために「どうしたら次はミスしないと思う?」と思考を促し、その道筋や結論を子供が見つけた段階で「大丈夫。次はミスが出ない、簡単に解けると思うよ」と次に繋がる導きをし、あと一歩だったと思わせる言葉掛けをしてあげます。

ミスをしても何度でも立ち上がってやり直せばいんだ、やり直しているうちに上達していくんだ、反復を面倒いがらずに淡々とこなせばいいんだと学ばせてあげてほしいのです。



3、あと一歩で成功体験になりそうな場合

このような場合の子供達の傾向として慎重派や正解が出せるかどうか不安で仕方がない心配性の子供や引っ込み思案の子供が陥る傾向にあります。

子供自身が正解かまたは達成できそうかどうかを不安で一歩踏み出せない、判断できない場合には安心して取り組めるように先ず「やってみよう」という促しが必要になります。これは学習だけではなく初めての場所や初めての行動体験などでも見受けることがあります。よって勇気を出せる言葉や好奇心をそそられる言葉が必要なのです。

「このままでいいよ。あと少しできそうだね」「いいじゃない、できてるよ。」「なぁんだ、できてるじゃないの」などと安心して実行できるような言葉掛けが必要で、あと少しで達成できそうだという見通しも言葉にして伝えましょう。

また子供自身も手応えを感じているがあと一歩踏み込めない場合や頭打ちになっている場合には、「ここまでよくやってきたね。すごいことだよ。だからあと少しだけ力を振り絞ればなんとかなりそうだよ」と伝え行動を促しましょう。そして次に多様な場面に出会した時に子供が自信を持って行動が起こせるように「ここまできたことが素敵だね。次同じことがあったらきっとうまくいくよ」「それができたらその次はどうしたい?」と明るい未来をイメージさせておきましょう。

親が子供にかける言葉は子供の人格形成にものすごい影響を与えます。子供が笑顔で過ごせる言葉は何があるだろうかと意識し実行することでよい結果が必ず生まれます。そのことを心に刻んで先ずは今日一々朗らかに過ごしてみてはいかがでしょうか。

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