提案『脳が最も効果的に学ぶのは失敗 No.1』
今回の記事は多くの親御さんに読んで理解していただきたいことではあるのですが、それ以上にお子さん達に理解していただきたい、いや理解すべきだと考えています。
『失敗』という言葉を検索してみると物事を仕損じる、方法や目的を誤って良い結果が得られない事と書いてあります。しかし諺や慣用句にしてみると『失敗は成功のもと』『七転び八起き』『怪我の功名』『弘法も筆の誤り』『孔子の倒れ』『上手の手から水が漏る』『転んでもただでは起きぬ』『三度目の正直』『水泡に帰す』『全轍を踏む』など上げるときりがないほど出てくるものであり意味合いも少々変わります。
一度子供の教育環境に目を移してみましょう。『失敗することはいけないこと』として捉えられているのが現状です。例えばテストで間違えると減点される、テクニックが要求される習い事などにおいては失敗すると怒られるという環境がまだまだ存在します。前者は評価をする教育現場ではやはり必要なことなのかもしれません。また後者はテクニックを獲得するためにそのような指導法をとっているのかもしれませんが、実は脳科学的なことで捉えるとその行動自体は望ましくないことが実証されています。つまり諺の『失敗は成功のもと』という言葉が理にかなっているのです。日本の教育界や学習期を持つご家庭が当たり前になっている認識を覆して、子供達の脳を萎縮させずに失敗を逆手に取った脳発達を促すことを学んでほしいと考えます。
その前にお子さんの行ったレッスン時のペーパーの解答欄をご覧いただきたいと思います。ミスをしている箇所には✖️をつけるのではなくアンダーラインを引いています。なぜ✖️ではないかということですが、そう書いてしまうと大抵の子供は間違ったということで印象が強くなり落ち込んだりやる気を無くします。しかしそこに注目して考え直してもらわないとならないため、私はアンダーラインを引いて注視を促します。回答を見ればどのように思考していたかがわかるので「もう一度考えてごらん」と思考させたり、時には何が起きているのか想像もつかない回答もあるので「どう考えたの?」と逆質問で問うことや「きっと正解すると思ったんだけど落とし穴に落ちちゃったのかぁ〜」と落とし穴に落ちたくないという子供達の心理を突いてやる気に結びつけることもあります。否定を印象つけてしまうと脳は思うように働きません。失敗の種を上手に成功に結びつけるためにはどうすればいいのかを今回を含めて数回に渡り毎週月曜の提案記事として掲載いたします。
さて序段に入りましょう。
実は私たち哺乳類は成功を勝ち得るために真っ直ぐに思考をする動物ではなく、失敗をし消去法で学習し正解を導き出すことをしながら進化を遂げています。つまり一つの問題に対しいくつかの選択肢の中から間違いを消して正解に辿り着くことを学習しているのです。よって子供達には何をすると失敗につながるのかということも重要な学習方法であるのです。幼児期の学習には社会常識を教え学ばせる時に敢えて間違い行動をしていることを認識させ、正しい行動を促す学習方法があるのですが、これは脳科学的にも人間がたどってきた進化においても本筋の学び方です。よって学習に於いても初期的学習には間違いから正解を学び直すことがとても重要になるわけです。例えば足し算で【2+3=6】と間違ってしまった場合初期的学習として理論的な実践学習がとても重要になります。何度も暗記で覚えさせようとするよりも実際に物を使用して学習させる方が遠回りのように見えて近く確実に理解が進みます。時間的に余裕がない場合には暗記や暗唱で覚えつつ、何度も間違えるものや答えがなかなか出てこない場合には実践積むべきだと考えていますし、そのように実行した場合に子供達が理解していると感じています。つまりこれまでの答えは間違っていて手を動かし実際に確認した答えが正しいのだと実感させなければ習得には至らないということです。しかし物を出すと遊びになって習得することができず集中できないのではないかと考える親御さんも多く、残念ながら実践に結び付けられず何度も同じ間違いを繰り返す結果になっています。そこで発動されるのは親御さんがいかに効果的に子供に学ぶ環境を設定するかということです。親御さんの面倒だな、遊びになったら嫌だな、こんなことをしなくてもこれくらいできるでしょというような感情があるとしたら、これは『宝の山に入りて空しく帰る』ということを実践しているに過ぎません。
どうですか?子供が伸びる最高のタイミングが目の前に横たわっているのに、みすみすその宝を手に入れずに手ぶらで帰りますか?
『間違った時が最高の学びどころであり、脳が最も効果的に学習するタイミングなのです』
つまり我々哺乳類は失敗の中から正解を見出す動物であり、その失敗やミスを消去しながら正解に辿り着く動物なのです。そして子供達が最も失敗を修正できるのは理論的実践なのです。
残念ながら今日の記事はここまでとなります。このことを心に留めて次回の記事をお読みください。
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