提案『メンタルローテーション No.2 2歳児の土台作り』
メンタルローテーションの基礎知識を前回記事『メンタルローテーションNo.1基礎知識』(記事はこちら)で記しました。今回はその力が育まれる遊びを年齢別に紹介する予定でしたが、お母様方からのご要望で年齢別にさらに詳しく知りたいとのご要望がありましたので、3月中旬まで各年齢1記事としてアナウンスしていきます。メンタルローテーションを意識した取り組みは2歳からの開始になりますので今日が最初の年齢別アナウンスとなります。
2歳向け|メンタルローテーションの土台づくり
2歳はメンタルローテーションを鍛えるというよりも 物を手で扱い感覚を使って『回したり、向きを変える』などの経験をたくさんさせる時期に当たります。つまりメンタルローテーションに関わる難しいことは一切不要で、遊び自体がメンタルローテーションを築く土台作りになり、その遊びを鍛えるトレーニングをたくさんさせる、そして頻繁に行うことが重要になります。
① くるくる回す遊び
くるくる回す遊びには、長い棒状のものをくるくると回す、車のおもちゃのタイヤを回す・裏返す、動物のフィギュアをひっくり返す・回して前後左右を確認する、コップをひっくり返す、容器の蓋の開け閉めする、ペットボトルを転がすなどの回し遊びが中心となります。
1歳児から様々な手先の遊びを行なっていると思いますが、教室ではミニペットボトルの中に小さなものを入れ音が鳴るようにしたものを使用し、手首を使い振らせ回すようお願いをしています。そして2歳の子供たちは長い棒に興味を持ち、振り回したり、穴の中に棒に入れて棒の長さと奥行きを確認するなどを行います。実はお母様が危険行為とみなしているこの棒回しが実はメンタルローテションの土台作りには最重要なので、実際に手にしたものをくるくると回す経験を危険を想定し排除した上でたくさんさせるようにしてください。この実際に物を手で回す経験が脳に直結し、物の動きを見て思考へと繋げていくことになります。実は手を使う手続きという動作は脳の前頭葉を刺激するため絵本を集中して読むお子さんよりも脳発達が進み、前頭葉の発達でキレにくい子供になることがわかっています。
また空間認知に優れている男の子が初めて手にしたものをひっくり返してじっと見たり、回して四方八方から観察する様子こそが空間認知が長けている兆しを行動から確認することができます。この反応は実は全ての子供が行うわけではありません。また男女差もありますが原始反射への働きかけが十分な女児でもこの反応が如実に見られ、男女差の能力格差は原始反射の働きかけによってなくなることが明らかです。別の見方をすると手先の器用さが進んでいるお子さんには「できない、嫌だ」というような感情の乱れはあまり見受けられません。先述した通り手指の器用さにより前頭葉が育っている証です。
では具体的にどのような声掛けをするのか見ていきましょう。
声かけ例「今、くるっと回したね。左(右)に回ったよ。」「こうすると前にも後ろにも回るんだね」「くるくると回すと上下に落下上昇するんだね」「ひっくり返ったよ。回してみよう。倒してみよう、伏せてみよう」などそのものの動きを多角的に察知させる方向で声掛けをしてみましょう。また最大のポイントは正解を求めないことにあります。2歳児は前頭葉の領域がまだ未発達なこともあり上手く言葉にすることが難しいと言えますが、まずは手でものを扱い感覚時なものを磨き上げる方向へと進ませてあげましょう。しかし忘れてはならないことは一人で集中して遊んでいるタイミングはひとり遊びを優先し、子供が親御さんに寄って来たタイミングで会話を投げかけてください。
② 型はめ・パズル遊び
2歳児でも3歳に近い2歳児とでは手先の器用さも物事の理解度にも大きな開きがあります。形を理解するのも複雑な形ではなく、先ずはシンプルな直線と曲線の形を捉えることしかができません。よって向きを正しい位置に合わせないと入らない丸・三角・四角だけのシンプルな型はめやつまみ付き木製パズル(2〜6ピース)などを使用することがベストです。このようなおもちゃを使用した後に少し複雑な動物を模した1ピースの木製パズルに進み、その後に2〜4分割されたピースで一つの形を作るなどの複雑なパズルや型はめに移行し、徐々に複雑かつ数の多いピースに移行していくことになります。
メンタルローテーションの土台作りのための声掛けは、「ちょっと回すと入るかな?」「くるっと回してごらん」などが2歳児に向けての声掛けになります。もちろん回す方向性がわからない場合もあるのでその時は無言の実践を何度か見せてあげてください。
③ 積み木遊び
1歳児は積み木を高く積むことに意識を向けて摘んで遊びますが、2歳児になると積み木の向きに意識を向ける積み方を行わせる必要があります。学習積み木を主体とする立方体の積み木だけでは物の向きを理解することが2歳児には大変難しいため、立方体に加え直方体・四角柱(錐)・三角柱(錐)・球・円錐・多面体と様々な形をした積み木を使用し見方を変えると見え方が違うことに気付きます。この気付かせることが重要になります。軸になる積み木を基準に横に置く、縦に、縦に、手前に、奥に、斜めの放射線状に置く、倒す、寝かせるなどしながら「向き」の変化に気付かせるようにしていきます。
声掛けは積み木を四方八方に置く置かせるさせるような声掛けを行います。「手前に置くと後ろの積み木が隠れたね、奥に置くとどう見えるかな?」「右に3個、左に2個置くと高さ差の変化が現れるね」「摘んだ積み木を前から見てみよう、その次は右から見てごらん、後ろに回って見てごらん、最後に左に移動してごらん。みんな同じ見え方だった?』「もう一度ぐるっと回ってみてみよう」「置く向きや見る向きを意識してどう見えるかを確認してみよう」など向きに注目できるような声掛けを行って下さい。
④ 体全身を使う回転遊び
2歳で空間認知能力を伸ばそうとするには最高の手立てが体を使う回転遊びです。これは2歳児の脳発達から考えると、体の回転=脳の回転であり、効果が絶大と言われる取組みです。つまり体を使う回転遊びをすればするほどメンタルローテーションの土台となる力が鍛えられることになります。ではなぜ一番効果的なのに真っ先にこの項目を記載しなかったのかにも理由があります。2歳児でなくても寝転んでゴロゴロ回ったり、マット遊びで回る感覚を楽しんだり、我が子のような活発な子供は傾斜のある土手を寝転がってゴロゴロと転がり落ちることを行うと、体現することに夢中になりしっかりと対象物を見ることや向きの変化を理解しようとする視覚認知がスムーズにいかないことがあります。先ずは体全身を使って行う回転遊びの前に、しっかりと見ることと見え方の変化に気付くことを重視した①〜③までを行った上で、安全確保と危険回避を考慮して短時間遊びを取り入れると良いでしょう。この体全身の回転遊びに夢中になりすぎると上記の取り組みをしたがらない場合がありますのでご注意ください。特に発達課題を特性としている場合は要注意です。
また回転遊びの中には絵本やカードなどを上下・左右反転・裏表の感覚を育てる場合がありますが、私は平面的なものを逆さまにして小さい頃から見せることをお勧めしていません。2歳児はこれらのような方向を示す基礎概念の理解を完璧にマスターしていないため、いざこの学びに入ろうとすると見え方捉え方に混乱を起こしたり、見え方の誤解や理解不十分に繋がりやすいからです。2歳では精査力がないため導入時の確固たる教えが一番重要だと考えています。特に絵本を逆さまに見せて楽しんだ場合にはその癖が継続する場合が多く、知らず知らずのうちに逆さ文字や文字の反転で字や数字を覚えてしまいます。そうなると学習スタートしてからの修正に時間がかかりますし、直される=楽しくないということに後々繋がりますので注意して下さい。
では今日のまとめに入ります。
2歳は「できるようにする」時期ではなく、「たくさんものを触らせる」時期です。「自分で向きを変えた」「違う見え方に気付いた」などのその行動の一瞬一瞬が空間認知の土台になり、メンタルローテーションの芽になります 。
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