絵本『こころにいつくしみの種をまく』

今回の絵本『こころにいつくしみの種をまく』はダライ・ラマ14世の書き下ろしです。彼ははチベット仏教の世界だけでなく、全世界の精神的リーダーとしてメッセージを発信し続けていますが、この作品は次の世代を担う子供たちに向けて、自らの幼い日々を振り返ると同時に、母から受け継いだ大切な教えである『慈悲の心』について記した奥深い内容です。

私はこの作品をお母様方にも深く読み込んでいただき、子供達に慈悲の種をまく一助としてヒントを得ていただきたいと考えます。私が日々子供達と関わる中で、お母さんには言えないことを相子供が談してくることがあります。その内容は子供同士のやり取りの中で起きた友達との行き違い、思いのぶつかり合い、意見の違い、気持ちのすれ違い、友達との間で起こる葛藤などを話は多岐に渡ります。その中で子供たちはどうしても自分自身を正当化したい思いや相手が間違っているのでは?というような同調を求めることが多く、子供達は様々な成長の段階にあるので視野が狭いことがあるのは仕方ありませんが、多くのご家庭でも自分自身の子供が被害を被ると相手を困った子供として判断することがあるでしょう。しかしこの絵本のダライ・ラマ14世のメッセージを受け取り考えると、相手がなぜそのような行動を起こしたのか、相手のバックグラウンドに思いを馳せ気持ちや行動を考えてみるという教えを、子供たちに働きかけることが重要であることは明らかです。誰かを批判して過ごす日より、誰かを理解しようと心を寄せ、思いを感じ考え、自分の心の中に慈悲の心を育む子供に成長してもらうことが素敵なことではないでしょうか。

「誰かがあなたを傷つけようとするとき、自分を守ることで精一杯になるか、それとも自分にたずねますか?どうしたら、この人を助けてあげられるのだろうか」と。この意味こそが日常の中に、家庭という小さな単位で子供達の心に育んであげるべきものではないでしょうか。そんなことを考えさせられる大変奥深い作品です。


明日の提案記事はこの作品を受けて『子育てに於ける慈しみ』来週は『慈しみを育む見立て遊び』です。また今週金曜日の偉人の記事は『ダライ・ラマ14世』を予定しています。この先行きが見えにくい時代にこそ学んでほしいことが詰まっているような気がします。

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