提案『発想力を引き出す No.6 幼児編 』

提案『発想力を引き出すNo.5 幼児編』(記事はこちら)において、幼児期の発想力の源は『面白がる力』であると申し上げました。子供が「面白い!」と感じることには共通する傾向が6つあります。ただし年齢や性格によってかなり違うので、「最近よく質問すること」「何度も繰り返している遊び」を観察すると、その子供の興味の方向性が見えてきます。その上で以下の6つの項目を参考に働きかけを行なってみてください。

1、意外なこと・予想外のこと

子供は「予想が裏切られる体験」を面白がることが多いものです。私が子供の頃、大爆笑をかっさらっていたザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』は、母が困った表情をしながら見ることを許していた番組でしたが、今となっては子供達の『面白がる』に貢献していた番組であったことに納得がいきます。現代の子供はリアルタイムでこの番組を見ることがないことが残念な気がしますが、私は子供に見せてもいました。小さなギャグでもお腹の底から大笑いできるものを探し、魚が水を得たように幼稚園や小学校で行い人を笑わせたり驚かせたりすることを行うなどしていたようです。例えば今でも覚えているのですが、給食のバナナをマイク代わりにしたり、2つのコッペパンを眉がわりにして変顔をしたり、寒い雪の降る日に上靴を耳当てにしたりとその場にいる人たちの笑いを一気に自分のものにする快感を味わい、座を一気に明るくしまとめる力を学んでいると担任の先生に褒められつつ、一部方向転換をお願いされた記憶があります。

また一時、手品や簡単なマジックにもはまり、人を驚かせる喜びを経験ししていたように思います。マジックが成功した瞬間、「えっ!?」「どうなってるの!?」という人の反応が、自分が仕掛けた演出で相手の感情を動かせることが大きな楽しさだったように思います。特に友達が目を丸くしたり、大人が本気で考え込んだりする様子を見ると得意げで達成感があるようでした。

では私たち親が子供の意表をついた面白さを発動するとすれば、どのようなことができるでしょう。例えば「今日のおやつは……石です!」と言って石そっくりのお菓子を出してみたり、大きなケーキの箱を開けたら小さなお菓子が1個だけとか、お父さんが急にお母さんのスカートを履いて突然子供の目の前に現れるなど、ありえないことで尚且つ分かりやすいズレが比較的子供うけしやすいと思います。このようなことは親御さんの子供を驚かせたいという気持ちと考える思考、そして実行することでお手本を示すことができます。




2、自分で発見できること

日々子供達と過ごしていると子供達が目を輝かせながら私に話をしてくる時があります。「ねぇ、先生知ってる?」「あのさぁ、僕これを見つけたんだよ」「先生、こんなの見た事ある?」などと自分だけが知っている、自分が見つけた、きっと先生は知らないだろうという場合にこのような発言が出てきます。子供達は教えられることよりも、格段に自分で気づくことや見つけたことに強い楽しさや面白さを感じています。子供が夢中になる虫探しや宝探しが面白いのは「虫そのもの」や「石そのもの」が面白いからではなく、「自分で見つけた」という体験そのものが楽しく清々しい気持ちよさを味わえるからです。実は人間の脳は誰かに答えを教えられるよりも、自分で発見したときのほうが強い喜びを感じるようにできています。例えば虫探しが面白い理由は、公園で「あそこにバッタがいるよ」と言われるより、草むらを探して何も見つからず目を凝らして見ていると、急に動くものを発見し「あっ、いた!」となる方が子供は興奮します。その瞬間こそが自分だけがまだ知られていないことを見つけたという感覚になるからです。

また石や貝殻集めが面白い理由は海辺には何百個も石があり、その中からハート型や星型、変な模様を見つけると「これは特別だ」と自分で意味を見出すことができます。特に4〜6歳児の女児はハート型や星型、ダイヤモンド型にはことの他関心を示します。大人が同じ石を手渡しても関心は示しますがそれほど子供達は感動しません。しかし自分で発見した場合には自ら見つけたからこその価値が生まれ楽しくなるのです。

他にも謎解きが面白いと楽しむ子供もいます。謎解きで一番楽しいのは答えを聞く瞬間ではなく、「あっ、分かった!」と謎が解けた瞬間です。初めは意味不明でバラバラだった情報がある瞬間に一つに繋がるという体験が起きると、思わず「なるほど、そういうことか」と声を漏らす瞬間があります。これもまた自分自身で発見する喜びです。

最後に実験的な取り組みも面白がる経験ができます。予想する、試す、結果を見るという流れを経験し、その過程で世界の仕組みを自分で解明している感覚が生まれます。

これらのことについて共通することは、知らないことが分かったという変化を楽しみ、教えられた知識ではなく自分で獲得した知識に価値を感じるからこそ子供は夢中になれるのです。少しだけ分からないことを自分で探し発見することとに大きな喜びも感じます。子供にとり「発見」は、小さな探検や研究そのものであり、発見した瞬間に「できた!」「見つけた!」「分かった!」という達成感と驚きが同時に生まれ、それが強い楽しさになり面白がる力を育むことになります。つまりそのような経験をどんどんさせる環境摂津¥亭が求められます。




3、体を動かすこと

皆さんも経験があると思いますが特に幼児から小学生は体を使った遊びが大好きです。今日は鬼ごっこ、明日はかくれんぼ、明後日は缶蹴りなどと子供の頃には体を動かす遊びを面白がった経験があるでしょう。子供が体を動かしたがるのには、単に「運動が好きだから」ではありません。それぞれの遊びに子どもが夢中になる独特の魅力があるからです。

例えば鬼ごっこは「追う・追われる」の楽しみがあり、鬼に見つかった、逃げ切れるかどうか、もう少しで捕まりそうになった、ギリギリで逃げられたなどドキドキ感が面白さです。

またかくれんぼでは見つかるかもしれないし見つからないかもしれないという緊張感があります。押し入れに隠れていて、鬼の足音が近づくと息を殺し、通り過ぎると見つからなかったことに安堵するという瞬間瞬間はかなり興奮したものです。

私の経験からするとアスレチックもまた良い運動です。アスレチックは大掛かりな設備が必要であるため家庭内で行うことは難しく、だからこそしたことのない経験に挑戦したり、できなかったことができるようになったことが楽しいかったなります。高い場所を渡ったり、ロープを掴んで不安定な場所に登ったり、不安定な揺れる橋を渡る集中力と注意力を抱えながら成功すると達成感が生まれ小さな冒険をしたような感覚にもなります。

これら全てには実は共通する魅力があります。走れば逃げられる、知恵を使って隠れれば最後まで逃げ切れる、体力の限界を感じてもやり通せば見たことのない風景を見ることができるなど自分の体を使い、行動することで世界を変えられるという経験をすることができます。また先が読めない、予測できない経験も楽しいものだと経験し何十回行なっても飽きずに挑戦し楽しめ、子供にとっては毎回違う展開になる小さなドラマのような遊びとなるから面白さを見出すのでしょう。




4、ちょっとした危険やスリルが楽しい

子供が「ちょっとした危険やスリル」を楽しむのは本当に危険な目に遭いたいからではなく、「危険そうだけど実は安全」という状況を体験したいからだと子供達を見ていて感じます。私も経験がありますが高い木に登り、高い場場所から見晴らしの良い景色を見たりすることで「うわ、高い」と少し怖くなる反面、遠くまで見える風景がいつもとはまるっきり違うことを堪能し、体で風を感じたり、人や車が小さく見えたりという特別感を得た記憶があります。つまり「怖い」と「すごい」が同時に味わえる経験が楽しかったのだと思います。

また友達の家で部屋を真っ暗にし、懐中電灯を照らしながら探検と称して遊んだ経験もあります。子供にとっては定番の冒険遊びですが、初めてお邪魔する家での探検ごっこは楽しかった記憶があります。明るい時は普通の部屋なのに、暗くするとタンスの影が大きな怪物に見えたり、揺れるカーテンに何かいるように感じたり、なんでもないぬいぐるみが急に動き出すのではなかいとハラハラしたり、違って見える世界に怖さとスリルを感じていました。子供はこれらのドキドキすること、新たなものを見つけること、想像を膨らませる体験を面白がっていたのです。勿論その遊びを堪能できるのは安全だと分かっているからこそなのです。「安全だけど、少しだけ危険な世界をのぞいてみたい」という好奇心が面白がることに繋がるのでしょう。まずはご家庭の中で安全確保をしたスリル遊びを楽しんでみてはいかがでしょう。




5、作ったり壊したりすること

子どもが「作ったり壊したり」を面白がるのは、単に手を動かすのが楽しいからではなく、自分の行動で世界が変わることを実感できるからです。例えばレゴや積み木では、何もないところから家ができたり、高く積んだ塔ができ、途中で崩れらまた作り直すなど子供にとっては自分の考えが形になる体験を楽しむことができます。さらにどのように積めば崩れないか試したりもっと大きくしようとするなど全てが自然にと実験になっています。

また工作はもっと広がりがあり、身近な材料を使って自分の考えたものを形にする遊びができます。例えば紙とハサミとテープでロボットを作ることができ、折り紙で動物を折ったり、牛乳パックで車や家を作れ、どんぐりと木の枝でクリスマスの飾りを作ることもできるなど正解がない作品を生み出すことができます。また同じことを粘土やダンボールなど材料を変えることで表現すると材料によってできることやできないことがあり、どのように工夫したら良いかを考えることができます。この面白さはつまり「自分の手で動きを変えられ表現することができる」という面白さがあるのです。自分で変化を起こせ、作品として結果が目に見える、がしかし失敗しても何度でもやり直せることを学ぶことにもなります。つまり子供は「世界に働きかけると変わること」そのものを楽しんでいるといえます。




6、大人と一緒に笑えること

子供にとって「大人と一緒に笑えること」の本質は何をしているかより、「同じ時間に同じ気持ちになること」です。例えばで一緒にゲームをすることで思った通りにいかないことや逆転が起きたり、大人が負けて本気で悔しがったり、子供が勝って大人に見せびらかしたり、みんなで「うわー!」と盛り上がる瞬間があることを面白がることでが重要なのです。つまり勝ち負け+リアクションの共有がポイントで、ふざけ合うなどはかなり強い「笑いの共有」です。重要なのは「どちらかが一方的に笑わせる」ではなく「一緒にふざけ合う、笑い合う」ことです。大人が少し本気でふざけると子どもは強く反応します。つまり「一緒に」ということが他者との共有した面白がりです。こうした行動自体が安心感になり笑う、驚く、失敗する、喜ぶなどの反応を共有し、結果より共に楽しい時間を共有することが心の安定にもなります。子供にとっての「大人と一緒に楽しむ」は、遊びそのものよりも「感情が同じタイミングで動くこと」の体験が重要なのです。特にボードゲームで盛り上がれるようになればその機会を多く増やして欲しいものです。


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