絵本『かげはどこ』

子供の成長に欠かせない外遊び。ブランコ・ジャングルジム・鉄棒・砂場・鬼ごっこ・かくれんぼ・虫取り・落ち葉や木の実拾いと考えただけでも一緒に遊びまわりたいものばかり。外遊びは視・聴・触・嗅覚を使うため多くの感覚刺激が働き、同時に好奇心や探究心、物事を楽しむ力、新しいものを生み出す力を付けてくれます。

小さな頃から注視してものを見るよう育てましょうと常々レッスンでは話をしていますが、それは私の経験から言えるとても重要なことのひとつです。

子供が歩き出して間もない頃、どこまでもついて来る影に驚いたことがありました。いつも手にして遊んでいるプルトイだと思っていたらしく、プルトイの紐を持っていない事に気付くと、影を何度も確かめては泣き、また確かめては笑い泣きし、いつの間にか影の虜になりました。そんな遊びを注視力があれば1歳過ぎからも楽しめます。

是非とも影遊びで注視力を身につけ、おおいに自然科学の芽を育まれてはどうでしょう。

今回取上げる絵本はそのかげをシンプルに楽しめる作品です。

さぁ、かげを探しに出かけようとそう親子でいいながらページを捲ってみてください。

「ぼくはここ」

「かげもここ」

「ぼくとかげは いつもいっしょ」

とてもシンプルでわかりやすい言葉で書かれ、辻恵子さんの切り絵が影の特徴を捉えています。

何処にでもついてくるかげ、その変化や不思議さが子供の目線で描かれ、思わず探しに出かけたくなる内容が展開され、絵本を読み終えたら帽子を手に影探しに出かけようという気分になる1冊です。

実際に影探しに出掛け色々な形の影を目にし、自らの行動により影の形が変化すること、時間季節により影の長さの違いに気付いたりするなどの発見を実体験として理解することができるようになるでしょう。

このような幼児期の外遊びを通して子供は科学的概念の芽生えを開始します。その科学的概念の一つが『かげ・影』そして就学後は3年生の理科で『太陽とかげの動き』を学習します。これまでに幾度となく幼児期の遊びや日常の出来事は小学校の学習と結びついていることをお話しました。このかげも同様です。

学習ありきの体験ではなく、存分に遊び学びの経験を行いそこから気づいたことを学びに変えていくことの方が遥かに質の良い思考へ繋げられます。しかし外遊びも間々ならないご時勢に経験ができず学習へ入ることの方が可哀想な話ですから、このような絵本をきっかけに体験を増やしてみることもありだと考えます。

お母様方の理科的知識が子供の思考に影響を及ぼします。全てを教えることよりも思考や観察すること、調べることへと導いてあげられるようにすると更に子供は豊かに育ちます。


青く突き抜けるような晴れた爽やかな日に、影踏みで全力投球した幼馴染・・・どうしてるかな?子供達の人生にもそんなスーヴニールが贈られますように。


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