絵本『さけのかけごえどんどこせ』

今週は子供達に魚で好きなものは?と聞いてみました。

すると「さけ」と数名が答えます。どうもおにぎりの鮭を指していたようです。というわけで今回は子供達の好きな鮭の遡上から食卓に上がるまでを描いた作品を取上げます。

岩手在住の菅原たくやさんは漫画家として創作活動をされていたということですが、今は絵本作家として活動をされています。ですから絵に躍動感があって絵を見れば何を表現しているかがわかります。また絵に添えられている言葉は幼児でも十分理解できる簡潔なもの。鮭の稚魚が川から海に出て行くタイミングについて書かれてあり、「なるほど、そういう理由なのか」と納得することができます。

なんといっても東北弁の表現が味わい深い「うみさ  でていく」「うみさ  ちろりろりん」リズミカルな表現に限らず、濁点の多い東北言葉が心地良く感じることができます。

男の子好みのイラストがこれまたひょうきんに見えて私は好きですが、幼い頃から可愛らしい、美しい絵本を読み聞かせている女の子には興味が持てないかもしれません。でも一読すると何となく面白く感じることができます。それは俯瞰している構図や読み手に迫ってくるダイナミックな動きに魅了されるからでしょう。また鮭の一生は興味深いもので小学校の教科書で取り上げられることが多い内容です。是非とも手にして読んでほしいと思います。

生きとし生けるもの全てが何かの命を頂き自分の命を維持しています。それぞれ姿形の違う生き物が繋がり、やがて自分の食事に繋がっているからこそ好き嫌いをいわず毎食感謝をする、そんなことを改めて感じることができる作品です。

鮭といえばお歳暮の新巻鮭。どこからか届き、父が裁き母が小分けに包んでいた光景を思い出します。また北海道に住んでいる頃、鮭の稚魚を石狩川に放流体験したことや幻のケイジを食したことも今となってはとても良い思い出。絵本を読み聞かせながら親御さんが過去を思い出すのもいいかもしれません。

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