おもちゃ『WALTER イン&オン』
2006年に閉鎖されたウォルター社製のおもちゃ。今はニック社が引き継ぎ製造販売をしているシンプルでありながら幾つもの要素が詰まった評価の高いものであり、感覚教具としても活用ができる一品です。
一辺20cmの台座に、大きさの異なる4種類の筒、そして色は赤・青・緑系の12本からなり、ものを掴むことができる乳児期から数年は使用可能です。
では6つの特徴を見ていきましょう。
1、ペグ差し
台座に大きさの異なる4タイプのペグタイプの筒を差すことでものの大きさの違いに気付くことができます。台座に的確に差すことだけが大きさの認知ではありません。サイズが合わないぞと感覚で捉えることも重要な認知です。初見は好きなように自由に行い、はめ込むという感覚が芽生えると大きさの認知がぐんと成長します。
2、入れる
このおもちゃの最大の特徴が入れこになることです。それぞれの大きさの異なる筒に入るか否かを指先からの感覚で捉えます。それからは出し入れを存分に楽しむことができます。ただし最も小さいものを入れた後に、指を入れて取り出そうとする子が多いです。その必死になる様子は見応えあります。どうぞお子さんの表情をご覧あれ。
また同時に入れ子が完成したときの美しい色のグラデーション(赤・青・緑の系統色)を発見することができるかもしれません。多くの生徒さんが使用してきたため新品のような美しさは認められませんが、その色褪せ感も多少の傷も子供達に愛されてきた証です。今後も子供たちの元へ短期出張に出掛けますので御愛顧ください。
3、積む
一般的に色に関心を持ち始めるのは2歳前後です。必ずしも同系色を積みなさいということではありません。色に関心が出てくると同系色の色ごとに積むことを行います。中には色の組合せを楽しんでいることもあるので自由に積ませて、どう判断しているのかを観察してみると良いかもしれません。
また同じ大きさのもの同士を積みあげる場合もあります。
4、転がす
ずり這いやハイハイをする頃の乳児には一番大きな筒を手にさせ口探索をし、転がして遊ぶ頃にこのような様子が見受けられます。ただし誤飲には御注意を。
5、並べる
1歳過ぎからものを並べるようになると、立てたり横に倒して並べたり、色ごとに並べたりと秩序の芽生えと共に遊びを行っていきます。
6、遊びの複合
乳児から3歳頃まで自由な発想のもと遊ぶことができます。
レッスンに於いて特定の取組みを習得させるためには使い方がありますが、遊びにはこうしなければならないという縛りはありません。自由な発想のもと生み出していく力の方がとても重要かと考えます。とはいえ概念の基礎は生きるために必要な知恵に結びつきますから蔑ろにはできません。そのためにも概念を活用しながら自由な発想で遊んでいるかお子さんを観察してみてください。
最後におもちゃのサイズは以下の通りです。乳児使用の場合には誤飲に繋がる可能性があります。トイレットペーパーの芯の中に入ってしまうサイズは使用しないようにしましょう。御注意ください。
0コメント