絵本『はっはっはくしょーん』
自力移動ができない乳児の頃から絵カードを用いて見る練習をしている子は、絵本を比較的に容易く見てくれるようになります。しかし生後5ヶ月以降自力での動き出しが活発になってからの乳児は絵本をじっとして見てくれないというお声も耳にします。
ではそんなお子さんにも種蒔きをすれば見てくれる絵本をご紹介。
㈱KADOKAWAより出版されている『はっはっはくしょーん』
ご覧の通りライオンの大きく開けた口の表紙のインパクト、くしゃみそのもののタイトル。これはもう読む前から楽しいであろうと予想することができます。
大人にとっては人々のいろいろなくしゃみの多様性がこの絵本の面白みを想像しわくわくできるのですが、くしゃみに特段関心の無い乳児には種蒔きが必要です。
絵本を読む前に日常の至るところでくしゃみの実践をしましょう。「はっはっはくしょーん」とくしゃみの真似をした後子供に微笑みかけれることうん十回、いろいろなバリエーションで子供を楽しませましょう。するとその楽しさを獲得できた子は絵本にも興味を示します。
単純な動物たちのくしゃみをする様子が繰り返されていますが、その姿の変化がなんとも可愛らしくユーモアに富んでいます。かめに、ぞう、きりん、らいおんとそれぞれがそれぞれの代表する特徴を活かした発想の展開で描かれているため何度も繰り返し読みたくなります。
乳児はくしゃみの音を先ず楽しみ、動物の名前を教えるとそのページに存在する動物を指差しで確認し、くしゃみをした姿に見入り、やがてくしゃむくんの行動の意味を理解し、読み終えた絵本を閉じたと同時にまた読みたくなります。
そして繰り返し読んでいくうちに裏表紙の動物たちがどうして鼻先を隠しているのかに気付くでしょう。
乳幼児の絵本の読み聞かせの醍醐味は時間をかけて育んで行くこと。
裏表紙の意味を最初から教える必要はありません。子供が『どうして、何でそんなお顔をしているのかな?』『鼻も隠してる』と気付くまで何度も読み聞かせましょう。読み終えて閉じた後の裏表紙に余韻を残すようにすることです。乳児の頃にはその裏表紙の意味することが分からずとも、3歳ぐらいまでに多くの絵本を多読することで気付けるようになります。それがたとえ4,5歳になったとしても教えられたことと、自ら気付くことでは明らかにものの捉え方感じ方に違いがあります。
子供の成長の中には過ぎ去った過去の低年齢向けの絵本を懐かしむ時期がきます。そのときに新たな発見をして親に伝えてきてくれます。そんな絵本の時間経過を楽しむ絵本でもあります。どうぞお手元に。。。
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