提案『小さなものへの敏感期』

誕生直後から1歳のお誕生日までは身体を使って大きな動作を獲得し、10ヶ月頃から小さなものへの関心が生まれ、1歳半をピークに小さなものに目が奪われるようになります。このときが小さなものへの敏感期で最も短い敏感期(獲得期)です。

目と手の供応動作が発達すると、小さなものに目を奪われ扱うことに夢中になり、対象物の些細な違いや他のものとの違いに気付くようになります。また視覚だけではなく音に対しても同様の発達を見ることができ、観察力の育ちともいえ新しい世界をどんどん広げていきます。

例えば床に落ちている小さな埃やごみ、髪の毛、ご両親の身体にあるホクロや傷のかさぶた、洋服についた小さなシミやセーターの毛玉、布のほつれなど小さなものが気になり、見つけ出すことがとても上手になります。

1歳半のピークを迎える頃には親指・人差指・中指の指先がとても器用になるため、それらを摘んだり触ったりしながらいろいろなことを発見します。

またお散歩中にアリを見つけてはじっと観察をし動かなくなります。数匹のアリを見ていたはずがアリの行列に気付き、やがてそのアリたちがどこへ姿を消すのかで巣穴を見つけたり、アリ同士が挨拶を交わしていることや同じ道を辿ることに気付き満足します。そしてお散歩に出掛ける度にアリを見つけ観察力を磨き、新たな発見や楽しい世界を広げていくでしょう。

我が子はアリの発見からてんとうむし、葉の裏についた蝶の卵、バッタ・・・北海道ではアブラムシの仲間の雪虫と昆虫の世界をとことん広げていきました。一歩外へ出掛けると雨が降るか、日が暮れるかしなければ帰宅できないくらいでした。短期間で終わる発達ならばとことん付き合うという選択肢と躾上のバランスを考え対応することが必要でしたが今となっては敏感期に対応することができてとても満足しています。

その他に手一杯の砂を指の間から落とす遊びをしたかと思えばポケットに入れ、小道の小石を見つけては手に握り持ちかえる、空け移しに使用するのは大きめのビーズではなく小さなビーズにしてくれという要求、そのビーズを運び損ねて部屋中にばら撒いても楽しそうに一粒一粒拾い上げて笑っていることもありました。このような行動が小さなものへの敏感期です。

小さなものへの敏感期は視覚に限ったことだけではありません。小さな音やその音の些細な違いに気づくこともできます。小さなものを見続けることで視覚感覚を刺激し、小さな音に耳を傾けることで聴覚感覚も同時に刺激し違いに気付く力を育てます。

この敏感期はやがて学習の土台になり課題を精査し理解する力になり、人の表情や言語の微妙なニュアンスに気付き判断する洞察力に繋がります。そしてこのような段階を踏んだ子供の多くが自然を愛でることや関心を育む力を育てています。

この小さなものへの敏感期は1歳~3歳ぐらいまでとされていますが、個人差があり1歳前にその時期に入っている場合や4歳頃まで続いている場合があります。

またこの敏感期で育んだ力を最大限に活かせるのは3歳以降だと考えています。物事を教えていて頭の回転の速いお子さんはこの時期を充実あるものにしていると感じています。観察力を付け思考に繋げるることの重要性はいうまでもありませんが、その土台を作るのはこの敏感期であることを認識していたいものです。

Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。