提案『子供の味覚形成』

私達は舌の表面にあるぶつぶつとした味蕾(みらい)という器官で味をキャッチして、味覚神経を介し脳へ信号が送られ味覚を感知します。

この味蕾は妊娠7週目で作られ始め生後3ヶ月でその数が最大に達します。離乳食を開始する目安の生後5ヶ月頃にはその数は増えず、味覚は鈍感になり食材を受け入れる準備が整うのです。生後5ヶ月以下の子供にいつも飲んでいる粉ミルクを別のものに変えると飲まなくなる乳児がいるのは、この味蕾が敏感に働いているからなのです。

この味蕾は誕生直後の子供は10,000ヶを有しているといわれますが、年齢とともに数を減らし喫煙によっても減少します。成人の喫煙者は7,000ヶ、高齢者は3,000ヶといわれています。

そして驚くことに8歳から12歳までに味覚形成で鍛えられると味蕾がまた増えるそうで、その数はなんと12,000ヶと言われ、12歳以降になるとまた下降を辿ります。味覚を鍛えるのはやはり誕生から12歳までが最適なのです。

味覚は5つあり甘味・塩味・旨味・酸味・苦味の中でも子供が最も好きなのが甘みです。ではそれぞれの特徴を確認していきます。

1、甘味

甘味は舌先でエネルギーの源である糖を感じる味ですが、お米やカボチャ、さつま芋、じゃが芋、たまねぎ、にんじんなどの素朴で安心できる甘みを獲得させましょう。

甘味の中でもなるべく避けてほしいのが、砂糖などを使用した甘味です。アイスクリームやチョコレート、ケーキなどの甘味は食事よりも美味しく感じてしまうためバランスの取れた甘味を獲得することが難しくなります。辞められない病みつきになる甘味は確りと好き嫌いなく食べることができるようになってからでも十分です。


2、塩味

塩味は体液のバランスに必要なミネラル分を含んでいます。しかし現代は塩分を取りすぎといわれ、実は子供の頃に薄味や食材の持つ素朴な味を味わう経験をしていなければ繊細な味を感じることが生涯にわたり難しいといわれています。離乳食は食材の持つ味に旨味をプラスし与えましょう。そして大人食に移行しても塩味は控えるようにします。なるべく控えてほしいのがケチャップ、ソース、マヨネーズ、ドレッシングの味の濃いものや塩味の強いものです。


3、旨味

旨味という言葉は全世界共通の日本語で、この旨味は100年ほど前に日本人が昆布だしから発見したものです。身体を作るのに必要な肉や魚のたんぱく質に含まれるアミノ酸が舌全体で濃くを感じることができるものや昆布や干し椎茸に含まれるグアニル酸などふくよかでコクがありまろやかな味わい深いものです。塩分を少なめにしこの旨味を摂取する手間を惜しまずに是非舌全体で味わってもらいたいです。


4、酸味

舌の両サイドで感じる酸味は腐敗しているものとして本能的に避ける傾向があります。好きになるためには食べることの経験と回数を増やすことが必要になります。離乳食時に与える果物はなるべく熟したものを与え、熟していない酸味の強いものは控えると少しずつ酸味のあるものを摂取できるようになります。


5、苦味

舌の根元で感じるこの苦味は身体を守るために本能的に危険な食べ物だと感じ避けます。しかし味覚を発達させるためにはこの苦味のあるものを工夫して食べさせることが必要になりますが、離乳食での導入は望ましくありません。3歳以降から少しずつ挑戦するようにします。


生後5、6ヶ月のゴックン期、7,8ヶ月のモグモグ期、9ヶ月のカミカミ期、1歳のパクパク期に合った調理法や切り方、味付けで食材をそれぞれを感知する舌の上で転がして味覚発達を促し磨きをかけてほしいと思います。

幼児期は多くの食材にトライし、苦味や酸味のある食材や料理を多く食べて5つの味覚を鍛える黄金の舌を獲得してほしいと思います。そのためには色彩的で視覚的にも美しいものであったり、友達と楽しく食事をしたり、豪華なテーブルセッティングをしてみたりと付加価値をつけた環境を取り入れることも脳を刺激し味覚発達の一助になります。

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