絵本『きょうのごはん』
これぞ日本の秋の夕食というような表紙で秋刀魚のこげ具合が美味しさをそそります。
今回の絵本は夕刻の住宅街に広がるそれぞれの家から漂う晩御飯の香りを絵本の中で想像して空想に浸ってほしいと同時に、猫目線でそれぞれの家を渡り歩き覗いているかのような感覚で心温まる風景を楽しんでほしいものです。
夕方の商店街で晩御飯のお買い物という光景はもはや過去のようなものですが、子供がなかなか経験できない昔懐かしい商店街を絵本で楽しめるのも醍醐味です。
この猫ちゃんがこれから幾つのも家の夕ご飯を目撃することになります。我が家の愛犬も人間のご飯を食することはしませんが、二本足で立ち上がりテーブルの上の食事を確認するので動物はやはり食べ物に執着しているのでしょう。
それぞれの家庭では子供達が夕ご飯のお手伝いをしています。昔はこのような光景もあちらこちらの家庭で見受けられた光景かもしれませんが、昨今は差ほど子供達が手伝っている様子がないようです。そんな点も子供達が汲み取ってお手伝いに繋げてくれるといいなと思います。
見開きで見せてくれるそれぞれの夕ご飯は本当に美味しそうです。子供達には多くの食材を味わって味覚の刺激を多く受けてほしいと思います。
全ての内容を取り上げることは控えますが、それぞれの家庭にそれぞれの味があって、なぜその夕ご飯にしたのかもああだ、こうだと想像の無限ループに陥りそうです。家庭の様子が細かに書き込まれているページから、ドーン料理に目が引き付けられる迫力の構成、そして猫をはじめとする登場人物の散りばめ方の小技に作家さんの遊び心が感じられます。是非読んでみてください。
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