絵本『英雄 ベートーヴェン 勇者にささげる交響曲』

この絵本は幼児には難しい作品かもしれませんが『交響曲英雄』を聴くことから取組みをはじめてもいいかもしれません。または弦楽器を習っている生徒さんならカラヤン指揮の映像から親しんで絵本に移行してもいいのではないでしょうか。

今回の作品はクラシック通であればナポレオン・ボナパルトに捧げるために作ったが、ナポレオン自ら戴冠したことに腹を立てたベートーヴェンが・・・という物語である。

物語は難聴を隠し演奏活動をしていたものの耳の具合は悪くなり・・・という場面から始ります。残念ながらベートーヴェンの人間臭さのような絵ではないものの文章は子供が読んでも分かりやすく描けています。人の魂を揺さぶる作品を書き上げたいのだと熱望していた頃に、フランスの君主制を倒し共和政権を樹立した英雄ナポレオンが歴史の表舞台に出てきます。

『ナポレオンこそ自らの運命を切り開き不可能を可能にした』として曲を書き上げようとするのですが苦戦してしまいます。そこからどのようにして作品を仕上げたのかが分かりやすく画かれています。天才とされたベートーヴェンが現代に残る作品を生み出す苦労を感じながら作品を読んで欲しいと同時に彼の政治に対する落胆振りや怒り、起伏の激しさも彼のありのままの姿です。

2020年12月25日偉人『ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン』

2021年3月26日偉人『ナポレオン・ボナパルト』

明日の子育てサジェスチョン『音楽鑑賞の薦め』もご参照ください。

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