提案『人の役に立ちたい思いを育てる』

子供は2歳後半から3歳頃にかけて『自分で何でもやってみたい』という感情が更に強くなりその気持ちを上手に育ててあげると、4歳前後から『人の力になりたい、役に立ちたい』という発達に結び付けることができます。しかし4歳になると全ての子がこの人のために行動を起こす力を獲得できる訳ではありません。1歳以降からの親子の関わりの中でいかに小さな我慢を重ね、自分の感情を少し抑えながら人に合わせることを親が上手にコントロールしてあげるかによって優しさを育むことができるかに深く関係します。

『自分で何でもやりたい』という気持ちを充実させ、自分のためから人のために意識を向けさせることできるようになります。その育みがボランティア精神に繋がるのです。自他共に認め豊かな心で成長できるこの発達段階を絶対に見逃さないようにすべきだと考えます。

子供の健全な成長を獲得するためには子供自身が心豊かに育ち、周りの人に心を向けたり、心を寄せお互いが良い影響を受け合いながら成長することが必要だと考えます。

ではこの3歳後半から『人の役に立ちたい』という発達をどのように獲得させ、実践していくのが良いかを今回は考え提案していきます。


1、自分のものを分け与える経験を積ませる

レッスンでは『はんぶんこ』という経験をトレーニングの中に入れ込んでいます。自分の持っている大切なものを半分にして分け与えることは予想以上に難しいものです。母子間でできてもそこに第三者が登場すると分け与えることができない子は多いものです。所有欲が強い子供であればあるほど「どうしてできないんだろう?」と悩むお母様がおられますが、子供は好きなものは渡したくないのが本来の姿です。しかし本能だから仕方がないと放置しておくことは感心できません。だからこそ家庭教育が重要になるわけです。

兄弟がいればその点は導きやすくなるわけですが、一人っ子や長子であればその子供中心に世界が回りますから難しいと思われる方もおいででしょう。しかし子供は一人でも親御さんがおられるわけです。『分け与える経験』を是非獲得してほしいと考えます。


2、役に立つ実感を経験させる

子供自身が周りの人の役に立っていると実感できる経験を先ず身近なことから積ませることが必要です。それも簡単にできてしまう事からスタートし子供に向けて「ありがとう。』『~ちゃん、~くんがこれをしてくれたから本当に助かった」と伝えることから始めます。私は敢えて困っていると装って「たすけて~」と子供にヘルプ信号を出して困っているママを助けたという経験を積ませました。そのような積み重ねを行い『周りに困っている人はいないかな?』と見渡し、そのような場面に出くわしてもサッと行動できる子供に成長しているはずです。


3、自ら進んで行動する自主性を持たせる

人のために動くことを繰り返し経験させていると自然と手助けの思考が生まれ、自主的に行動することができるようになります。この自発性は人のために役立つだけではなく、子ども自身の全ての活動に活かすことができます。自分自身の考えにより行動できるようになるということは、誰かに強制されて行うこともなく、義務感からイヤイヤ行うことでもありません。自ら進んで行動するということを鍛えることになります。


4、共に支えあって行動する

子供だけにこの人助けを実行させることはよろしくありません。子供が困っていることがあれば、「この前助けてもらったからそのお返しね」といい子供をフォローする行動も行いましょう。これは交互扶助を育てることになります。社会に一歩出ると人に支えられ人を支えての環境があることに気付くことになりますが、お互い様という発想を子供の頃から知ることに意義があると考えます。


5、見返りを求めさせない

手助けをしたら何かがもらえる、何かを与えるということはナンセンスです。一度そのような状況を経験させてしまうと見返りを求めてきます。これでは利己的欲求を助長するだけで心の成長はできないと考えた方がよいでしょう。手助けで与えられるのは『ありがとう』という感謝の言葉と優しく微笑みかけたり、抱きしめたりすることです。

子供自身が自分自身の行動で助かる人がいる、笑顔になる人がいる、感謝を伝えてくれる人がいるただそれだけで心が満たされる経験を是非味わってもらいたいと考えます。私達が住む社会では互いが互いを支えなければ上手く回らないことを多く経験します。自分だけの子供が幸せであればいいと考えることほど子供が成人した後の社会を住みづらいものにするのだと考えます。よりよい子供の未来を考えるにはより良い社会作りが必要で、その最小体位が家庭で、最小行動が子供の頃のこの教育だと考えています。

人の役に立つために自分のできることをする、そんな社会の循環があれば今の世の中を変えることができるのではないかと考えます。

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