提案『子供の負けず嫌いを活かす』

子供を持つとその成長に嬉しさを感じると同時にどうしてなのか?と悩むこともあります。それが子育ての面白さでもあるのですが、育児書や教育本を読み、保育の専門家に相談し悩みながら解決の糸口を見つけ出そうとしている方が圧倒的です。

そんな子育ての悩みの中で4、5歳の男児を持つお母様方が悩まれるのが『負けず嫌い』ではないでしょうか。幼稚園でお友達と競い合うことで起きてしまうトラブルやご家庭で繰り広げられる勝った負けたの兄弟ケンカ、どうしてそこまで勝ちに拘るのかと感じてしまうこともおありでしょう。しかしその負けず嫌いを上手に活かすことにより、向上心や粘り強さを獲得することができます。また友達と全く競わないというお悩みもあります。

ただし負けず嫌いにはメリットとデメリットの両方があり、子供の成長に大きく作用します。生まれ持った性格や気質からくるものと、乳児期から幼少期までの発達段階で誰しもが持ち成長と共に消滅する2つのパターンがあることを中心に話を進め『負けず嫌い』とは何なのか、どうすればよいかを考えていきます。

負けず嫌いは大きく分けて気質や性格から来る生涯変わらない負けず嫌いと、幼児期にかけて出現し消滅してしまう2タイプがあります。後者については初めて知る方が多いと思いますが、消えてしまう前に親が気付くことが重要で良い方向へ導くことも併せて解説していきます。


1、気質や性格からくる強い負けず嫌い

このタイプの負けず嫌いは生涯負けず嫌いのままです。成長し本人が意識して表に出さないようにすることがあっても内面的にふつふつとしていることが特徴です。

性格からくる負けず嫌いは乳幼児期から時に強く激しく出ることが多いもので、4歳~5歳にかけてがピークを迎えます。勝敗に拘るだけでなく順位に対しても強く反応することがあり、負けを受け入れることができず態度に出てしまう場合もあります。しかしこの場合にはある日突然幼児になって出て来るものではなく、乳児期から必ずシグナルは出ています。

例えば乳児の頃に遊びが成立しないと仰け反って愚図ったり、手にしていたおもちゃを投げてみたり、大きな声で泣いてみたり、お母様の手を噛んでしまうなどのリアクションが強く出る傾向があります。


負けず嫌いの子の導きのコツ

女児よりも男児のほうが顕著に現われる傾向がありますが、男女共に同じような導きが必要です。

友達との力比べが始りかけっこなどの勝負事に必ず勝たないと機嫌が悪くなったり、いつでもどのような場面でも一番にならないと気がすまないような結果主義に陥ります。そこで親がしなければならないのは、先ず勝ち負けに拘る事実を確りと受け止めること、その上で勝つために努力すること、その過程に価値があることを教え導きます。勝ち負けに意識を持つ方向から内面的な成長を促す方向に考え方を変え、自分自身の力を高めるためにどうすべきかを考えさせることが最善の道です。

その一方で勝ちに拘ることで負けたときの敗北感が自己肯定感を育たなくし、感情コントロール能力の欠如や完璧を求めすぎるあまり心が歪み、努力をしなくなることです。負けず嫌いは育て方を間違えてしまうと子供の向上心や粘り強さ、努力することなどの生き抜くために必要なものの芽を摘んでしまうことになるのです。

しかし4歳児は魔の4歳児ともいわれるほど大人のいうことを聞かない時期でもあります。扱いが難しいなと思うこともありますが、悔しさをバネに努力することを学ぶことも必要です。負けたときにこそ具体的に努力できる方法を提示し、実践する環境を整えてあげるべきだと考えます。


2、幼少期のみの静かなる負けず嫌い

この乳幼少期のみに出現する静かなる負けず嫌いは殆どが見落とされています。それもそのはずで発達上に出て来る負けず嫌いは、殆どの子がそれを強く表に出しません。一瞬の表情の変化やちょっとした手などの身体的動きで表現され、私達大人が意識し注視していなければ見逃し見落としてしまうほど小さなものなのです。

小学校の運動会で徒競走をし負けたと悔しがる子はどのくらいいるでしょうか?殆どの子は結果をすんなりと受け入れてしまうものです。その受入れをする子供達が静かなる負けず嫌いを経験し、その負けず嫌いを消滅させ順応した子供達なのです。しかしそのような子供の中にも努力を惜しまない子はいます。

5歳過ぎで消えてしまう負けず嫌いには、乳幼児期の急激な成長を乗越えるために必要な自己内面を鍛えるものです。勝ち負けに拘らず自分自身を高めるための力として獲得させることが芯の強い子に成長させることができるのです。


静かなる負けず嫌いを成長させる導きのコツ

強く激しい負けず嫌いが出ないのがこのタイプなので、勝負ごとや競い合うことをしている時にどのような表情や行動をしているのかを注意ししましょう。負けたことで表情や行動が変わるのであれば次の努力に繋がるようなアドバイスをし、コツコツと努力し粘り強い心を育てるように物事に取り組ませましょう。勝ち負けに関心が持てないようであれば成果を出すことへの関心を育て、日々の積み重ねが結果に結びついていることを意識させる方法で意欲の形成を促してほしいと考えます。

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