スナップ『四季を理解する』

春は桜がほころんだら花を愛で花咲き乱れる下で春を食し、夏は青い空の下海で泳ぎ、秋は落ち葉を踏みしめて銀杏並木をゆっくりと歩き、冬は木枯らし吹き付ける寒さを感じながら雪遊びに興じるなど日本には春夏秋冬、四季の移ろいを感じることができます。

しかしここ沖縄では本土ほど四季がはっきりしているわけではなく、季節に敏感な生活や体験をする機会が少ないといえます。とはいえ日本人として四季や季節感をおさえておくことは必要なことです。沖縄という環境でおさえるべきことは感性として蓄え、未体験は絵本の世界や映像で想像を巡らせ、旅先で経験するしかありません。

レッスンではとても重要な取組として位置付けし、日本人独特の文化や行事を含めながらいろいろな視点で物事を結び付け思考出来るようにと行っています。

今回は四季をイメージしながら取組んでいる様子を一部写真付きで解説していきます。

目に見えない概念である四季(春・夏・秋・冬)をどう子供達に理解してもらうのかということが最も重要になります。

子供達が最も理解しやすい筋道を立ててあげることが重要で、先ずは桜の木の春夏秋冬を色のイメージを用いておさえてもらいます、春は花や蕾の淡いピンク色とし、夏は生い茂る緑の葉と初夏の青空を、秋は黄色やオレンジ色の紅葉と葉枯れの茶色、冬は葉がすっかり落ち白雪荒ぶ色のイメージを持たせて判断基準の土台を作ります。

春になると教室の飾り付けが桜に変わり、空間でのイメージがしやすいようにしていますがイメージする桜は沖縄の緋寒桜ではありません。くれぐれもご注意くださるようお願いいたします。

上記の土台の色イメージをインプットしながら、1年12ヶ月の月を季節とマッチングさせ仕分けていきます。

ご家庭で「今日は何月何日なの?」という日付けの時間軸を常に問いかけながら、数字や曜日の感覚を3歳頃から強化していきますが、それと同時に「まだ寒いけれど3月だからもう暦の上では春だね。」「5月だね、春が終わる月だよ。」というような会話を繰り返し伝え、季節を手繰り寄せて考え感じる種蒔きをたくさんしましょう。沖縄だと3月は暖かいものですが、それでも一般的概念と実際の沖縄という土地柄のギャップを考慮しいながら混同しないように教える必要があります。この方法についてはレッスンやレジメで対応させていただいています。

1~12月を四季分けした後は日常使用することが無い月雅称をインプットしていきます。月雅称は楽しくとなることから行ってもらいますが、知識としてではなく先ずは言葉遊びとして取り入れてもらえると自然と身につけることができます。

子供の耳を育てるという意味では、親御さんが楽しそうに言葉にして耳からインプットすることで自然と唱えに繋がるようにすることが理想です。


なぜ子供の頃に季節のインプットを重視するのかと質問を受けます。

それは感性を養うために他なりません。感性の豊かさを獲得するということは感動する心を育てること、楽しみを見つける能力が秀でていくこと、自然に癒されたり偉大さを感じたり他者や多方面から与えられることを享受できるようになります。

大人になり社会人になるとあまりの忙しさに季節を感じることができなくなる瞬間があります。幼児期に季節感を大事にする文化教育を受けていないと大人になっても感性は乏しいものです。

世知辛い世の中であり、コロナ禍で制限のある不自由な中にあっても人の持つ感性は、やすやすと阻害されることはなく、かえって研ぎ澄まされて謳歌することができます。コロナ禍で都会のフラワーショップは夜の街に届ける花の販売量は減ったものの、花を自宅で愛でる人や植物を育てるための植木の販売が大きく増えたという記事を読みました。また自宅で季節を感じることを工夫して子育てしている方も増えたように感じます。子供の頃に獲得した興味や関心ごとはたとえ長い時間行わずとも色褪せることはありません。是非とも幼児期に季節を感じる心を育てることを行っておきましょう。

Baby教室シオ

ほんものの学び。今必要な学び。乳児期から就学期までを総合プロデュースする沖縄初の乳児のためのベビー教室です。