絵本『うらしまたろう』

今週も先週に続き明日の子育てサジェスチョン記事は時系列についてです。そして子供達が読む物語の中でも時系列である過去・現在・未来が存在しているのは昔話です。その中でも時系列をしっかりと押えているのが『浦島太郎』です。

内容は言わずと知れた内容で浜辺で子供にいじめられていた亀を助けた浦島太郎はそのお礼に竜宮城に招かれ、楽しく竜宮城で3日過すうちに地上では300年過ぎ、全てが様変わりし途方にくれ開けなければ万年生きることができると乙姫様からもらった玉手箱を開け白い煙にまかれお爺さんになるというあらすじです。現在から竜宮城というおとぎの世界に身を置き、元の場所に戻ると長き時間が経過していた未来の時系列を子供が理解するにはやはり4歳以降からの読み込みが重要になる作品です。

昔話に存在する教訓が隠されているのはみなさんご存知ですが、浦島太郎は読めば読むほどその教訓が探せないというお母様がおられます。我が子達も小さいころに亀を助けたのにも拘らず家族と会えなくなるのか、そしてお土産としてもらったものが悲劇的なお爺さんになる結果が不思議で怪訝な表情をしていました。子供のそうした疑問に皆さんはどう答えるでしょうか。大人の解釈を伝えるのはとても簡単なことですが子供自身に何度もその理由を探させる考えさせることがこの浦島太郎には必要なことだと思います。

お母さんに会えないくらいならご褒美は要らない、虐められている亀を助けるのは当然だから褒美があるの不自然、亀を虐めた子供たちはどうなったのか、家族は突然居なくなった浦島太郎を心配していたのではないかなど想像をどんどん巡らせて色々な立場から俯瞰することを促すことが昔話の醍醐味だと思うのです。

私はこの浦島太郎から得る教訓は子供の年齢よっていくつもの方向から教えを与えることができると考えています。我が子に言い続けた教訓の一つが『自己抑制』と『自己コントロール』です。たとえ楽しいことが次々に起こったとしてもそれを続けることに意義があるのか、今何をすべきかを見極めて自分自身をコントロールする力を持つことだとこの作品から教訓を得るよう話をしてきました。実際2歳以降には自己抑制を促す時期に入ります。そして自己コントロールのスタート時期は4歳以降です。そして子供の年齢や個性や発達により『自己抑制』『自己コントロール』の理解の程度は異なります。絵本を読んだからといってその2つを理解することは大変難しいもので、子供に色々なことを思考させることができなければこれらに行き着くことは厳しいでしょう。繰り返し繰り返し色々な方向からこの浦島太郎を読み込んでください。

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