絵本『サンタさんからきたてがみ』

信じる力を授けてくれるサンタクロースは普段はどこか遠い存在で神秘的ですが、クリスマス到来でグーンと身近な存在になります。そんなサンタクロースを身近に感じることができる１冊を取上げます。

ねずみの郵便屋さんは「配達は正確に｣そして『いつも笑顔で」を心に留めて日々真摯に仕事に向き合っています。今日も沢山の手紙をかばんに詰め込んで雪の降る森の動物たちへ手紙を届けに出かけます。「さあ、いそげ、いそげ。みんな、ゆうびんを　まっているぞ」

「うわあ」森の動物たちに一刻も早く手紙を届けようと急ぐあまり滑って転んでしまいます。「たいへんだ！てがみが　みんなどびだしちゃった」慌てて手紙を拾い集めます。

しかし最後に拾い上げた手紙の１通だけが濡れ、雪の水分で所々消えかかり宛名が判読不明になってしまします。真面目なねずみは困ったと思いつつも、他の手紙の配達をしなければと気持ちを切り替え手紙を届けます。

しかしいつも笑顔でいるねずみがしょんぼりと郵便配達する様子に異変を感じた動物たちが心配をし、ねずみに事情を聞いてきました・・・すると動物たちがその手紙をみながら思い思いの意見を発するのです。

濡れた手紙が誰宛に来たものなのか、森の動物たちの話に耳を傾けながらお子さんたちと想像し読んでみて下さい。最後の最後に壮大な想像力を掻き立ててくれる展開が待っています・・・ねずみだからこそできること、ねずみの異変を察して心を寄せてくれた森の優しい動物たちだからこそ味わえた世界観をわくわくしながら楽しみ、子供の心の中に確りと真面目さや他者を思いやる気持ちを育くめる素敵な絵本です。今年はそんな他者を思う優しさを味わうクリスマスをお迎えになってはいかがでしょうか。