提案『ドールハウス遊びの薦め』

2021年1月10日(月)『お人形遊びの薦め』を受けて今回はドールハウスの遊びを取上げます。

お人形遊びで子供は自分と他者との間には違いがあることを知り、他者の気持ちを汲み取り察することや理解する心を育て、言葉を促し言語能力を発達させながら、社会性の向上を図ります。このような社会的役割を疑似体験することで学んだ全てのことを一つの形にしていきます。

お人形ごっこをしだすとお人形が座る椅子やテーブル、ベッドなどの家具や小物を必要とするようになります。その時にオプションで人形用の小物を買われる方もおられますが、是非積み木を使用し椅子やベッドを作るように導きましょう。小さな頃から積み木を使用していろいろなものを作る遊びができていれば抵抗無く行うことができます。簡単に手に入るミニチュア用の家具を購入するよりもはるかに遊びの質が上がるため、私はドールハウスに移行する前に是非積み木をふんだんに使い創造性や空間人知力を活用すべきだと考えています。

その積み木を使用して囲いを作り、部屋や家に見立てた遊びを存分にさせます。いわゆるお人形遊びと積み木遊びを混合させた遊びで見立て遊びに繋げます。例えば下の写真の囲いはリビングにも、テラスにも、見方によっては露天風呂やプールなどいか様にも想像することができます。このような遊びで問題解決能力や社会性を高めることができ、積み木の空間認知力も上がり、幼児期に土台を築かなくてはならない創意工夫の芽を出させ遊びの幅を広げることになります。このような力を身につけた子は後々社会性や学力が高い傾向にあります。


ではドールハウス遊びのメリットについて話を進めます。

ドールハウスを導入する年齢は3歳以降が望ましいと考えますが、人形遊びと積み木を確りと取組んでからにしてください。人形を使用して遊ぶのだからとドールハウスを2歳頃でお与えになる方もおられますが、ドールハウスを用いた遊びと人形遊びや積み木遊びの空間認知を主とする遊びとは大きな差があります。ちなみに私は人形遊びと創造性を育てる積み木を組み合わせたお人形遊びに力を入れ、ドールハウスを与えたのは子供が4歳過ぎた頃でした。

親御さんにもう一つ理解して欲しいことがあります。それは子供にとってドールハウスは単なるおもちゃではなく、自分自身の居場所や家族の居る場所、心の安全基地的象徴の場所としての位置付けです。その証として多くの子供が自分の部屋という発想で遊びを行っている場面によく出会います。長期的な考え方に基づくとこの幼少期の遊びは思春期を迎える頃には自分自身の部屋を持ちたいという自立に繋がり、やがてその部屋からも出て本当の社会に向けての自立になるのです。たかがドール遊びではないということです。


さて子供達の遊びにもう一度目を向けてみましょう。遊んでいる子供達の多くが空間的位置の言葉を使用し会話を楽しむようになります。お人形遊びでは聞くことが少ない時間軸や空間を意識した場面設定がより深まり遊びにも変化が出てきます。

また進歩的な思考を楽しむようにもなります。日常生活の出来事や物の配置を楽しむ様子は、実体験を客観視して再現していくため家具や物のグルーピングを意識したり、実際の家とドールハウスの動線の違いに新たな発見をしたり、中にはエネルギー効率を意識したソーラーパネルをアルミ箔で作る子もいます。

これまでにこのような思考を行った子供は我が家の事が気になるらしく、吹き抜けの窓を開閉する仕組みや関心を示し、監視カメラや床下換気システム、電動シャッター、雨水用貯水槽を見つけた子もいます。これからの時代は遊びを通してエネルギーや資源の循環など環境を意識した暮らし方も学ぶ時代になったことを実感しています。

ドールハウスに到達するまでに確りと男女問わず人形やぬいぐるみを用いて遊ぶようにして下さい。

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