提案『段取りを習得させるために』

現在小学校中高学年で中学校受験を視野に入れて子育てをなさっておられる親御さんであれば、『段取りを獲得する』ことの重要性を痛切にお感じになっておられるでしょう。しかし小学生になって段取りの習得をしようと気付くのは遅いと感じています。小学校へ入学するのは7歳、誕生してから1年生でも7年経っています。ある専門家は5,6歳から段取りの練習をすればよいということを唱えていますが、私はそれでも遅いと考えています。

今回はこの段取りを身に付けるためにどのように導いていくのかをお話します。

「段取り」とは物事を上手く進行させるための手順や方法という意味があります。

世間一般的には物事を進めるにあたって『段取り八分、仕事二分』というこのような言葉もあるほど下準備や手順やそれらを実行するための方法が重要だという主旨で使われています。しかし段取りをしただけで望み通りの結果が得られるとは限りません。この段取りの質こそが物事を満足いくものにするか否かを決めるのです。

子供を教える立場にあると物事を順序立てて考えることができる子ほどこの『段取り習得する能力』に長けています。この順序立てて考えるということが段取りを習得する第一歩なのです。

当教室に1歳未満から通うお子さんはこの順序立てて考えるという前に、見通すという段取りに必要不可欠なトレーニングを1歳のお誕生日以降からスターとします。

お気付きでしょうが段取りを習得するトレーニングには、順序立てて考えることが必要で、順序立てて考えるためには物事を見通す力の土台としてなくては成り立ちません。

ある目標や行動に向かって動くためには、この先にどんなことが待っているのかを見通し、そこからどのように行動すればいいのかを自ら方法や手順を考えることが必要になり、かなり地道で長期戦の促しが必要になります。しかし長い人生を考えると幼児期までの短い数年間で逞しく生きるための才覚を手に入れることができたら人生は大きく変化するはずです。


では1歳からスタートする見通すというトレーニングをどう落とし込むかの概要をお伝えします。今回は概要説明だけになるので年齢別のトレーニングについてはレッスン内で対応いたします。

例:目標はおむつを替えるために何が必要なのかを子供が考え行動する

お母様がお子さんにこう語りかけます。「おむつを替えようかな。」「おむつを替えるためには、おむつとおしりナップが必要だね。取って来てもらえる?」

するとトレーニング開始直後は1つしか持ってこられないでしょう。しかし何度も繰り返すうちに2つを持ってこられるようになり、更に実行を繰り返しているうちにおむつを交換しようという言葉だけで指示を出さずとも2つを持ってくることができるようになります。これが見通すということなのです。

3歳児以降はこの見通す力をお手伝いに切り替えていきます。

例:目標はテーブルを拭くお手伝い

「テーブルを拭くお手伝いをしてくれるかな?」と問いかけます。

「テーブルを拭くには何が必要かな?それはどこにあるんだろう。」「空拭きにする?それとも濡れた布巾で拭く?」「濡れた布巾で拭くためにはどうしたらいいの?」このような投げ掛けをすることで子供は考え出します。繰り返すうちにどのようにすればスムーズに進められて、早く終わるのかという時間軸での管理も自らできるように導く必要があります。

お手伝いにはその段取り習得を強化する材料がたくさんあります。食事終了後の家族分の器を効率的にキッチンへ運ぶ回数を極力減らす目標を立てたり、シンクで洗いやすくするためにはどのような重ね方で置いたほうがいいのか。

短時間で家中の掃除機を掛けるためにはどのような手順を踏んだ方がいいのか。

洗濯物を早く乾かすためにはどのように干したらいいのか。

ハンバーグを作るためにどのような工程で進めるべきかなど段取りを必要とするものは、日常の生活に山ほどあります。小学校に上がるとすべきことが学校主体となりお手伝いに時間をかけることは大変少なくなります。だからこそ幼児期までに身支度やお手伝いを通して見通す力を付け、順序立てることを思考し、段取り良く実行できるトレーニングを獲得しましょう。

親御さんがここで注視しなければならないことは、お手伝いが上手にできたかどうかではなく、子供自ら考えて行動しているかです。もし段取りが悪ければその点を子供が考えて修正する方向へ導くことです。


今実践中の生徒さんでお手伝いはしていることに満足している親御さんはおられませんか?その段取り習得に目を向けることをお忘れではありませんか?

子供が段取りを習得するにあたっては『見通し、順序立て』が必要ですが、何より重要なのは『楽しさ』があることです。義務的に押し付けるのではなく、楽しく自発的に行うことができたら素晴らしい人生が待っていることでしょう。


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