絵本『鬼ぞろぞろ』

船崎克彦作&赤羽末吉絵のタッグは最強の日本神話絵本をこの世に送り出してくれています。この作品に限らず『やまたのおろち』『いなばのしろうさぎ』『あまのいわと』『すさのおとおおくにぬし』がありますが、難しく感じるようでなかなか子供に読み聞かせる方は多くありません。意外と絵の魅力にはまり子供は見てくれます。我が家でも主人が子供に読み聞かせし2歳の子供には早いのではないかと思いつつ観察をしていると、子供は意味は分からないのでしょうが食入るように絵本を見ていたのを思い出します。

さて今月は節分だったのでこの絵本を選んでみました。とはいえ節分とは全く関係なくただ鬼が登場するという独断で選んだだけですが魅力ある作品です。内容は大晦日の夜更けに身分の低い侍が鬼の百鬼夜行に出会ってしまったことから物語が始ります。

中世説話文学の『今昔物語(巻十六の三十二話)』を潤色した絵本です。

鬼につばをかけられ姿が消えてしまう身分の低い若侍が、姿が見えないことをいいことに悪事を働いてしまいます。悪事からどう立ち直っていくのか、一度悪の波に呑み込まれたらなかなか抜け出せないという話を耳にする現代にこの絵本は何を問いかけているのか親子で繰り返し読んで欲しいと思います。

赤羽さんの絵巻のような挿絵に、船崎さんの読みやすいメリハリのある表現に引き込まれます。対象年齢は5歳以降が一つの目安かと思います。

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