『日本伝統を教える・寿司編』
2013年ユネスコ世界無形文化遺産に認定された和食ですが、それ以前から世界では『寿司』は人気があり世界各国で親しまれていますが、各国でアレンジされ過ぎで日本の伝統食としての姿が見受けられないものもあります。しかしそれはその国々の人の舌に合わせた変化なので仕方のないことですが、これだけ情報が溢れるようになると日本の伝統的な寿司を好む外国人も増えています。
日本にいると伝統文化も見えなくなることがあるのでありとあらゆる伝統文化は子供に伝えるべきだと考えています。先ず子供達が経験しやすいことはと考えると食文化ということで、年明け最初の子育てサジェスチョンは日本の伝統文化を見直そうということで『寿司の歴史』を取上げます。
今私達が食している寿司は江戸時代のものが原型ですが、もともと寿司は奈良時代の発酵食である酢飯ではない『熟鮓(なれずし)』まで遡ります。そして鎌倉時代でネタを浅く漬けた『生熟れ』で米も一緒に食べるようになり、少しずつ変化しながら江戸時代にお酢が作られるようになって鮮度のある魚介を酢で締めたネタと酢飯を食するようになったのです。
労働者が簡単に食べることができお腹にたまるものということで寿司のスタンドバーならぬ屋台が流行したのです。その様子が下の浮世絵です。当時の寿司はおにぎりサイズで大きかったことも世相を反映しています。
今では見ない寿司屋台ですが第二次世界大戦以降、生ものを屋外で扱うことを禁止したことで姿を消し、屋内へ屋台を持ち込んだ今の形になったそうです。一方今では日本全国どこでも食べることができる寿司ですが、関東で寿司職人をしていた人々が関東大震災で被災し地元に帰ったことで日本全国へ広まったとも言われます。もし関東大震災がなければ寿司は関東近郊のものだったかもしれません。
また食文化は歌舞伎や人形浄瑠璃の義経千本桜すし屋の段で描かれています。文化同士の共演は知識があれば奥深く鑑賞することができるでしょう。
子供達には寿司を食するに当たり寿司の歴史を簡単でいいので認知し、寿司の種類や魚の名前を覚えながら寿司ならではの言葉の表現を耳にし、伝統文化を感じながら古き時代に関心を寄せ、浮世絵や歌舞伎、浄瑠璃などにも興味を示し食して欲しいものです。
0コメント