提案『ピンチを楽しむ子』

ここ10年ほどで明らかに子供の心が弱くなっているなと痛感じます。ピンチや挫折、逆境に弱く一度謝った行動やミスを起こすと立ち直れない子供が増えています。これは成功体験の結果重視で生まれたものであったり、親の過干渉によるお膳立て教育によるものだと考えています。

そしてそのような子供達の発する言葉はある程度決まっていて、「できない」「もういやだ」「もうやんない」と自ら進む道を断つものばかりで乗越えようとの意志も育たない状況を作り出しています。また言葉を発する年齢に達していない場合は態度で似たような意思表示を行います。この打たれ弱さは親の行動と発言で直すことは可能です。

今回はピンチや逆境を楽しみながら乗越える前向きな子供にする方法をアナウンスしていきます。

子供は何も持たないまま透明なガラスのようにクリアーな状態で生まれてきます。そして親に育てられていくうちに親から大きな刺激を受けて育つと当時に、親の真似をして育ちます。優しい声掛けで育てられれば子供は優しい物言いで言葉を発し、早口で育てられれば子供も早口の傾向が出てきます。親が怒鳴り声で叱るのであれば子供は怒鳴り声で親に反発をするようになります。

子供が親の目のまでで繰り広げている行動は、子供の置かれている環境のありのままの姿です。時に子供が手におえず困るという状況に子供を一生懸命直そうとする親御さんがいますが、その子供の行動が鏡に映る自分自身の姿であることに気付いていないことが圧倒的です。

よって子供がピンチや挫折、逆境に弱いということは親がそう教えているのです。先ず親がそのことに気付くことから子供を強くするスタートであることを理解してください。

上記は野球のベンチでの指導者と選手のしょうねんですが、これを家庭内に置き換えて考えてみましょう。大人がある特定の事案に「困った、これもできないのか」という表情や態度、言葉を掛けてしまえば素直な子供はそのまま受取る以外ありません。そのようなことを日常繰り返していると「ぼくはできない」「わたしは下手なんだ」「やりたくない」『失敗したくない」となるのは明らかです。

私がお母様にお願いしているのは「できない」等の言葉を使わないようにし、子供ができないと意思表示をしても「どれどれ、見せてごらん」「どうしたの?」などの状況を受け止める言葉を返すようにお願いしています。

もしここでお母様が「できなかったの」「できてないね」と発してしまえば、それは『できない』を子供に刻印したことになります。すると多くのお母様は解決をはかるために加勢をします。殆どのお母様は先回りをしてその場をやり過ごすことを行うので、子供は失敗やピンチを乗越える方法を獲得せず同じことを何度も繰り返すことになります。

子供は回りの大人から多くのことを学び取っていきますが、特に親からの学びは子供の成長に多大な影響を及ぼします。今回の『ピンチを楽しむ子』にするためには、親を中心とした周りの大人の失敗と、その失敗を乗越える姿や対処する姿からピンチや挫折、逆境を乗り越えることを学びます。ですから大人のそのような姿を見せることがとても重要です。

失敗してもやり直すことができること、何度でも自分でやり直せば良いのだという経験を積ませることが子供を強くするのです。


子供が失敗をすると叱ってしまったり、子供の代わりに親が後始末をする親御さんがいますがその行為も子供を弱くしてしまします。失敗すると起こられるから失敗自体を隠そうとしたり、起こられるのが嫌だから行動を起こそうとしない消極的な道を選ぶ子供もいます。そうなっては強く逞しくなるのではなく、消極的に逃げ道を選択する子供になってしまいます。

自分の道を自分で切り開いて歩む子供にするためには失敗から学べる子供にしなければなりません。失敗は成功の元、ピンチはチャンスと親が捉えて一切手や口を出さず、過干渉やお膳立てもせず

最後に失敗をする度にやり直そう、やり直せばいいんだと自分自身で考え行動した子供は、ピンチや逆境をどう乗越えるかをほんの少しのヒントで見つけ出すことが上手になります。

ピンチを楽しむ子供になるためには、『失敗したらやり直せばいいんだ』『何度でもやり直そう』を実行させることしか道はありません。


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