絵本『しっぱいにかんぱい!』

明日2022年4月25日『ピンチを楽しむ子』の記事をより理解していただくために子の絵本を取上げます。対象年齢は6歳以上とお考えください。また是非お母様に読んでいただき、子供が失敗したときにどのように言葉をかけるのかご参考いただければと思います。

物語は6年生を姉に持つ弟達也君の姉を心配する様子から物語は始ります。

運動会で1年生から6年生まで選抜クラス対抗リレーのアンカーを努めた姉加奈ちゃんは、風を切って目を走る奏者を抜き堂々と1着でゴールします。

成績発表のとき思わぬ事態が発覚します。バトンパスのテーク・オーバー・ゾーンからはみ出し失格となります。逸る心を抑えきれずルールを忘れてしまったのでしょう。オッフェンバンクの『天国と地獄』の曲をなぞるかのような天国から地獄を味わってしまいました。

項垂れる姉の姿や周りの小学生が姉に向ける視線を受けるを感じる弟。姉の失敗の大きさに気付いた弟達也も小さくなり、姉にどのように向き合えばいいのか分からずおろおろする様子から姉思いの弟の思いが伝わってきます。

そんな時祖父からの誘いの電話が掛かってきます。姉加奈の大好きなハラン寿司を作って従姉妹や親戚と食べようではないかというのです。加奈の大失敗を励まそうっとしてくれた粋な計らいです。

おじいちゃんはそれとなくみんなの失敗話をそれぞれに話させ、「しっぱいにかんぱい!」と音頭を取って和やかな気持ちにしてくれます。子供達の失敗話だけではなく、大人の失敗話も親戚のおじさんやおばさんがしてくれます。大人の失敗を包み隠さず話すことで徐々に加奈ちゃんの気持ちはほぐれていくのです。

従姉妹のまなみちゃんの失敗はお母さんの小言が次から次へとでてきます。このユーモアある着地点で話は終わるのですが、現実に起こればまなみちゃんのような捉え方はなかなかできません。子供を失敗から立ち上がれない子供に育ててしまう可能性があります。このことについても明日の記事『ピンチを楽しむ子』をお読みください。

失敗も時間が経てば良い思い出になることを知った加奈ちゃんが昨日起こしたばかりの失敗を打ち明けるシーンはしみじみとします。昨日今日のほやほや失敗を受け止めることができる子供に成長させた加奈ちゃんの親の育て方を想像してしまいます。そのことについても明日の記事をお読みください。


おじいちゃんが失敗を笑って話せる日が来るから、失敗を大事にしておおきくなってくれと言葉を掛けます。その通りだなと感じおじぃちゃんのような粋な年寄りになりたいものだと思い本を閉じました。この絵本から学ぶことは子供以上に親のほうがあると思います。ご自身に置き換えて読んでくださると子育てを円滑に行えると思います。

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