提案『乳児の視覚と感覚統合』
誕生後すぐに脳の発達が開始されんますがその時に乳児が行っている最も重要なのが感覚統合です。感覚統合とは乳児が自分自身の周りで起こる環境下で得た様々な刺激や体から受け取る多くの刺激を調整し処理する能力のことを指し、その全ての感覚が脳処理されていき脳発達へと繋がります。
昔の日本では大家族の中で乳児は育ち、家族が日常的に乳児の周りを行き交う様子を頻繁に見てその音を聞いて感じて感覚統合をし、また日本古来の日本の民家では風の通りを感じ、縁側で光を感じ夜になると灯りは薄明かりまたは暗闇と日中のメリハリや季節の移り変わりを体感して育ちます。乳児はこのゆっくりとした時間の流れでゆっくりと様々な感覚統合を行なっていたのです。しかし現在は核家族化の中で日中は母親と二人や数人というゆっくりと感じることができる刺激が少なく、体をすっぽりと包む寝具で寝かされ自由に身体を動かすことが難しくなり折角の感覚統合のチャンスを無くしています。一方でこの乳児自ら行う感覚統合を蔑ろにして外部からの一方的な刺激を与えることで後天的発達に課題を与えていると感じるケースの有無も感じています。
ですから誕生後に乳児の身体発達を十分に理解しながら、乳児自らの行動にゆっくりと寄り添いゆっくりとした刺激を与えていくことが望ましのです。
今回は目の動きを司る12の筋肉を動かせる生後3ヶ月の乳児の3つの視覚運動を意識し生活の中に少しづつ取り込んで働きかけをご紹介します。
1つ目の視覚運動は『固視』です。
自分の手をじっと見るリガーハンドもまだまだ続き固視自体が発達途中なのでなるべく色鮮やかなものを活用して固視を促しています。しかし固視は必ずしもおもちゃなどの物を使用する必要はありません。お母様が子供に向けてにっこりと笑う笑顔こそが良質な固視に繋がります。アイコンタクトをたくさんとり愛情表現をたくさん与えるようにしましょう。
2つ目は『追視』です。
古き良き時代の大家族で生活していた頃は乳児は人の気配を感じ思い頭をその気配を追うように頭や目動かし追視を行なったり、光を感じ、生活音がする方向へ音を取る仕草を見せたり、煮炊きの香りを感じその方向を追うなどして自然と追視ををすることになっていたのです。その何気ない生活の中にある行動が乳児の視覚発達のみならず重要な首の座りを促し、ひいては感覚統合を促します。日常に便利なものが存在する中で今流行りのものに目が向くことも多いかと思いますが、乳児の持っている発達は昔から大きく変わるものではなく、脈々と続いてきたゆっくりとした時間の中で育まれる重要なものを見落とさず、乳児本来の持つ育つ力を促すことの重要性を感じています。
先ずは首がしっかりと据わること、愛情を注いで母子の絆を深めることを心がけましょう。
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