偉人『行動力のウォルト・ディズニー』

誰でもが今回は訪れると夢の世界に身を置き、心豊かになれる異空間。夢と魔法が溢れる場所がディズニーパークである。カルフォルニア・東京・パリ・香港・上海と世界の人々を夢の国に導かれるディズニーパークを創設したウォルト・ディズニーの生い立ちから行動力について話を展開していく。

1901年12月5日鉄道員として働く父イライアス・ディズニーと教師をしていた母フローラ・コールの四男として誕生。

父イライアスは元々フロリダで農業を営んでいたが結婚と同時に農場を売り払いホテル経営に乗り出した。しかしホテル経営は上手くいかず、心機一転新しい土地シカゴに移り住みそこで生まれたのがウォルトである。シカゴでの生活は厳しく見切りをつけた父はまたミズーリ州のマーセリーンで農場経営を行い、ウォルトは生涯その土地を心の故郷としたのである。その後父が体調を壊したのをきっかけにまたシカゴに移り住み、幼い頃に得意だった絵を学ぶことになったのである。

ディズニー家の生活は大変厳しいもので父は子供達に厳しくあたることも増え兄のハーバーとレイモンドは家出をする。残された三男の兄ロイとウォルトは当時父が行っていた新聞配達所を手伝わなければならず、早朝3時に起きての朝刊配達と夕刊の配達を強いられた。しかし三男ロイも1912年家を出てウォルトに新聞配達の労働が重くのしかかった。疲れで学業にも身が入らないウォルトであったが絵を描くことだけは夢中になることができた。

1917年父がゼリー工場の経営権を得たためウォルトは高校進学と共に絵画芸術に目覚め自分自身の絵で人々を魅了することを感じ、第一次世界大戦に従軍した後には自分の絵の力で世界を笑顔にしたいという夢が生まれたのである。そして三男ロイを頼り絵描く仕事に就こうとした。

今でこそコングロマリ企業となり彼の意思を受け継いだディズニーランドではあるが、若い頃のウォルトは挫折の連続であった。しかしそのたび重なる挫折にも拘らず発想の転換を行い成功へと辿り着いたのには、兄ロイの財政面での手腕発揮のサポートもあったが『夢をかなえる』というぶれない信念と『信ずれば必ず成し遂げられる』との強い思いがあったからだと考える。

彼の幼少期を見れば彼が挫折を味わいながらも何度も立ち上がることができたその理由が分かる。

挫折を繰り返しても新たなことに挑戦し続ける彼のバイタリティーの根源は父の存在である。親子の間に確執があったとされているが幼い頃から父を見て育った彼の中には、父の行動を起こす姿勢や失敗を含めたリスクを反面教師と受取る学びが育ったいたと考える。父の度重なる行動力から行動を起こすときには敢えてリスクを覚悟して勇気を持ってあたるという父と同じ血が流れていたのではないだろうか。

だからこそ配給会社による従業員の引き抜きで会社を泣く泣く手放すことになっても立ち上がることができたのは、父の七転び八起きの精神と彼の夢を叶えるという柳のようなしなやかな心の強さがあってのことだ。そのことを物語る彼の言葉が残されている。

「いい時も  悪いときも  人生に対する熱意を失ったことはない。」

ウォルトは果敢にもいろいろなことに挑戦している。静止画だった漫画を動くアニメーション化するにあたっては当時の入社している社長に数週間も掛けて直談判し、高価なカメラでの撮影で成功を収め、幾つのも困難に立ち向かいながらもまた新たな挑戦をする。

それが無声のアニメーションに音を付けることであった。大金を必要とする音入れはウォルトの夢であったが、夢を実現させるためにはリスクを取る勇気も必要だとし実行した。そのお陰でオズワルトに代わる最高のキャラクターミッキーマウスで一世を風靡したのである。彼はまたこうも語っている。

「今、われわれは夢が叶えられる世界に生きている。」

「好奇心があるときはやりたいことがたくさん出てくる。それを達成するために必要なものは勇気だ。」

その子言葉だけで彼の仕事への向き合い方や人を喜ばせたいという信念を理解することができる。彼の中に存在する子のような考え方は幼い頃から目にした親の行動、一挙手一投足だと考えている。なぜそこまで言い切れるのかといえば、毎日教室にやって来る生徒さん達から実感しているからだある。子供は私達親が考えている以上に多くのことを親から学んでいる。良いことばかりではなく悪いことも含めてである。そのことを考えるとウォルトと兄ロイは自らの境遇をバネに、糧に成功を勝ち取った人物である。


さてここから私たち親は子供に自らの行動をどう見せるべきかを考えてみよう。

親としては子供が小さい頃は成功体験を見せて過ごしたいと考えるものである。特に2歳までは成功体験を多く積ませたいことから敢えて失敗は見せない方が良い場合がある。

しかし3歳以降は敢えて失敗を見せ、なぜ失敗に至ったのかを確りと伝えることが必要だと考えている。時に反面教師は必要だということである。しかし忘れてはならないのは失敗をただ見せているだけではなく、失敗しないためにはどうするか、さらに失敗した時にどう対処するかを考えさせ行動を促すことである。ウォルトの父は生活苦から子供に事実を付きつけ労働を強いるという点で親の失敗を体験させてきたのであるが、これが彼にとって自分の夢をかなえるために行動し、リスクを取りながら成功へ導くためにどう動くべきかを学ぶきっかけになったと考える。

一人の行動力のあるウォルト・ディズニーの人生経験の上に私達が夢と希望と感動を得ることができていることを考えると、私達も次の世代が穏やかに過ごせるものを小さくても生み出すべきなのだろう。






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